「カイト、ほらっ!」
「へっ!?」
いつもの癖でカイトに向かってアイスを投げてしまった。
「ダッ!!」
「わ、悪いッ大丈夫か?」
投げたアイスはちょうどカイトの頭にぶつかった。
「イタタタタ・・・・・。」
涙目でカイトが頭をさすっている。
(やっぱ、あいつとは違うな・・・。)
「ほら。」
アイスを拾い渡す。
(ダメだ思い出してはいけないのにコイツといると思い出してしまう・・・。)
「スミマセン・・・。」
「お兄ちゃん、今のはありがとうって言った方が良いんだよ!」
ミクが冷凍ネギを食べながら言う。
「えっと、あ、ありがとうございます・・・。」
「・・・。お前、もっと笑える様にしておけ、その方がいい。」
「はい、頑張ります・・・。」
少し俯きながら言ったカイト、俺はカイトの頭を撫でる。
「アイス溶けるぞ?」
「えっ!?」
(ココは一緒だ・・・。)
俺は、なぜか可笑しくて笑ってしまった。
「な、何で笑うんですかッ!」
「いや、だって焦った顔がッ・・・。」
耐えるが顔に出てしまう。
「やっぱ、お前あいつとは違うな・・・。」
「えっと・・・誰ですか?」
「前までココにいた、もう一人のカイト。」
「マスターッ!?」
ミクは俺がこの事を自ら口に出すのを驚いたんだろう。
「ミク、もう俺は平気だ。この事はコイツも知っておいた方が良い。」
「でも・・・・。」
「とりあえずアイス食いながらで良いからソファーに座れ。ミクは外に出ててくれるか・・・?。」
「はい…」「うん・・・」
会とは近くにあったソファーに座りミクはリビングから出ていく。
俺はカイトの前に立った。
「あのな、ココには前までもう一人のカイトが居てな、お前とは違って瞬発力が良い奴だった。」
「う゛・・・。」
カイトには痛かったらしい言葉。
「ハハッ・・・まぁそいつは瞬発力が良かったはずなんだ、
でも少し目を離した瞬間、カイトは何者かに連れてかれた要するに誘拐だ・・・。」
「誘拐・・・・。」
「そして、帰ってきたカイトは・・・。もう生きていなかった。」
会とは引きつった表情を見せた、まぁ、当然だろう・・・。
「こんな話して悪いな・・・。でも、俺と付き合っていく中でお前までこんな目に合わせたくはないんだ、だからお前に聞く、このまま俺の家に居てくれるのかそれかそんな目に合わないために知り合いに引き取ってもらうか決めてくれ。」
カイトは下げていた顔をすっと上げた、その顔は今までとは違って何かを決意して考える事が何にもないすっとした顔だった。
「オレはあなたに拾ってもらえたから今ココで生きているんです、あなたのおかげで生きているんです。だから、お返しが出来るまで、ここに居させてください。」
俺はカイトの口から出てきた言葉に驚いてしまった。
「本当に良いのか?」
「はい、あそこで死んでたかも知れないんです、何処で死のうが同じです。」
「そうか、」
そのとき俺の頬に涙が通った。
「ありがとな・・・。」
俺はそのままカイトを抱きしめて声に出さす涙を流した。
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