パッと通ったトラックが君を引きずって……それはもう例えようのない永遠を感じるほどに。

 僕はいつになったらこの空間を抜け出せるんだろう。

 思い出したのは、遠い幼い事。
 ヒヨリの親戚の家にいた、背の高い青年。誰だったか、忘れてしまったけど。
 一緒に野球をしたときに、いつもホームランで必ず助っ人して呼ばれて。
 トリケラトプスのぬいぐるみのUFOキャッチャーの前では涎が出るほど見つめていたり。


 ……そのすべての動作を、ヒヨリは好きだったらしい。


 僕は、それには相変わらずよく解らない。
 だから、僕は二人っきりになれる時間がなるべく欲しかった。
 彼女が、一緒に行きたいと言っても、例え殴られようとも、僕は二人っきりの時間をほしがった。





 だから、君の好きなおしるコーラを二つ買って、ちょっと鼻歌でも歌いながら歩いて。




 やけに蝉の声が耳にうるさく響いたのに。




 僕はなんとも不思議には思わなかった。




 彼女はぐちゃぐちゃの赤い何かになっていた。




「……どうして」




 僕は――やっぱり彼女を救えなかった。
 いつになれば、彼女を救えるんだ。
 解らない。
 それは、これを作ったカミサマとやらしか解らない。

「……ヒヨリは君の泣き顔をもう見飽きたって言ってたよ」
「わかってるよ…… 僕だって君のこんな顔見飽きた」
「どうする?」
「……決まってるだろ」

 そして、僕は手を取った――。







ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

カゲロウプロジェクト 29話【二次創作】

「目も眩む話Ⅳ」


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この小説は以下の曲を原作としています。


カゲロウプロジェクト……http://www.nicovideo.jp/mylist/30497131

原作:じん(自然の敵P)様

『人造エネミー』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm13628080 
『メカクシコード』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm14595248
『カゲロウデイズ』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm15751190
『ヘッドフォンアクター』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16429826
『想像フォレスト』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16846374
『コノハの世界事情』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm17397763 
『エネの電脳紀行』
『透明アンサー』
『群青レイン』
『キミノメヲ』
『夜咄ディゼイブ』
『デッドアンドシーク』
『シニガミレコード』
『如月アテンション』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm17930619
『チルドレンレコード』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm18406343
ほか


 まだ出ていない曲は、二次創作で執筆しております。
 また、まだ出ていない時期に執筆したものがあり、それらは改めて書いております。

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閲覧数:348

投稿日:2012/08/31 17:41:16

文字数:640文字

カテゴリ:小説

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