“一人になってしまいましたね
一人は寂しい 一人は怖い 一人は嫌だ
それなら、早く見つけだしましょうか”
リンと離れてすぐに森は完全な闇へと変わってしまった。レンは足元すら見えずほとんど勘で進んでいたが、度々石や木の枝に足をとられる。
「くそっ!何も見えない!」
完全にリンとはぐれてしまったとレンは焦る。リン一人では鬼から逃げられないかもしれない。
「リーン!何処だー!?」
静かな森に自分の声だけが反響する。リンの声は聞こえない。
レンは途方にくれた。こんな真っ暗な中でどうやって探せと言うんだ。
「リン、何処だよ・・・」
いつでも一緒にいた双子の姉。両親が死んだときも目に涙を貯めながら必死で泣かないように強がっていた。その姿にレンは何度も救われた。だから今度は自分が彼女を守らなければ。
夜の森が怖いと言っていたリン。もしかしたら今もどこかで震えているかもしれない。レンは棒のように動かない足を叱咤し、進む。
レンはリンを追う。
鬼は二人を探す。
リンはレンに追われる。
鬼はレンを追う。
リンはレンを探す。
レンは鬼に追われる。
鬼はリンを追う
レンはリンを探す。
リンは鬼に追われる。
リンとレンは鬼から逃げる。
追って追われて探して逃げて。
終わらない。
すると遠くから微かに声が聞こえた。
「リン!?」
間違いない、リンだ!
レンは躓きながらも懸命に走った。やっと見つけた!
リンは疲れ果てていた。レンとはぐれて辺りが漆黒に包まれると、まるで世界から切り離されてしまったかのように感じた。そして遂にはその場に座り込んでしまう。
「レン。」
ここにはいない弟の名を呼ぶ。
「レン、レン、レンっ!」
自分を逃がすためにあの場に留まったレン。その想いに応えるためには一歩でも進まなくてはならない。でも、もう歩くことができない。
「寂しいよ、怖いよ、レン。」
一人は嫌だ・・・!
リンの両目からは涙が溢れていた。それはどうしても止まらない。
ガサッ
草が音をたてた。恐る恐るその方向を見てみても視界が涙で滲んでいたのと、月明かりが遮られているのでよく見えない。
しかし誰かが立っているのは分かった。
「・・・レン?」
ぼんやりとリンは呟く。無事だったのかとリンはほっとした。
その声が届いていたのか人影はゆっくりと近づいてきた。そして手が触れる。
雲間から月明かりが差し込む。
腕を掴むその手には鋭い爪が輝いていた。
―了―
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