手紙を描き始めるまでに
長い時間がかかってた
言いたいことが一言も
文字に出来そうになかった

ありきたりな一言で良い
そんなの分かってるのに
そうじゃないって感じて
いつの間にかインクは乾く

ねぇ郵便屋さんお願いだから
僕の気持ちだけ届けてくれる?
喜んでくれるか分からないけど
それしかできそうにないんだ


会って話したらきっともう
互いに言葉が止まらないね
昔のこと今のこと先のこと
夢も現実も理想も綯い交ぜに

やりとりの空気感が答えで
一方的な文字だけ送るのは
少しこそばゆい気持ちがする
言葉選びも自信がないからね

ねぇ郵便屋さんお願いだから
彼の気持ちだけ届けて欲しい
楽しい暮らしか知らないけど
それだけ受け止めていたいんだ


旅先のポストから絵はがきを
宿屋のペンで他愛ない一言添え
もらって喜ぶでなく怒るでなく
「今そこなんだな」と腑に落ちる

どこだっていい「今はそこか」って
それだけ言い合えれば本望だ
どんなに言葉を尽くしたって
最後は手を降って別れるのなら


あぁコーヒーが冷めていくね
何も書き進まない笑っちゃうな
あの時の彼はどんな気持ちだろう
同じように悩んだりしたのかな

ろくでもない相手だからって
適当に言葉を選んでたかな
それくらいがきっとちょうど良い
僕だって今もそうしたいのに

ねぇ郵便屋さん教えておくれ
手紙を差し入れた彼の表情を
もう届かないって分かってる
それでも消したくはないんだ


もう届けられないのを知っているから

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

伝心証明郵便

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投稿日:2021/12/21 21:38:55

文字数:643文字

カテゴリ:歌詞

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