[第15話]~下手人
 霧岐屋さんの額に、汗が滲むのがはっきりとわかる。
それでも見つめ続ける私に向ける霧岐屋さんの目は、だんだん怯えたものになって行く。

 「みくさんが殺されて七日が経ちました。七日前どのように彼女は殺されたのか。」

 「だからって、どうしてあたしの方を向くんです!あたしは何もやっちゃいないよ!」

 焦り出す霧岐屋さん。
きっと私が自分のことを下手人だと言いたいのだと思ったのだろう。

 私は一度、霧岐屋さんから視線を逸らした。
そして、私はもう一度目線をあげた。

 「私が思うに、下手人は、巡屋さん。あなたではないのですか。」

 先程より、静かになる部屋。
庭の紅葉がはらりとおちてゆく。

 「どうされたんですか。私には、みくさんを殺める理由も手段もありませんよ。」

 いつも通りにこりと笑った、巡屋さん。

 きっと、此処に居る皆がそう思っている。

 「それが、一つだけあるのです。その上、それしかつじつまが合わない。」

 ごくりと皆が唾を飲む。

 「あの日、巡屋さんはみくさんに渡す品以外の簪を持って行っていたんです。そして、品を渡した後、かいとさんに席を外してもらいます。二人きりになって首筋に簪を突き刺して殺した後、布団に寝かせれば良いんです。」

 「落ちていた簪の破片はどうなんですか?」

 巡屋さんが、判らないでしょうみたいな顔で、私に問う。

 「あれは、私や霧岐屋さんが買った時に意図的に欠けさせておいたんです。」

 私が、難なく答えると巡屋さんは何も言わなくなった。

 「違いますか?」
と、私がかいとさんに訊いた。

 かいとさんは、私が訊くと同時に酷く怯えた目で私を見た。

 嘘を吐けない性格らしい。

 「私は、間違っているでしょうか。」
今度は、巡屋さんに訊いた。

 連もめい子さんも、霧岐屋さんも、かいとさんも一斉に巡屋さんを見た。

 長い長い沈黙。


 その沈黙を破ったのは、巡屋さんの小さな笑い声だった。


 「ふふふ、そうね。そのとおりよ。」

 いつもの、上品な雰囲気は次の瞬間、消え失せた。


 狂気すら感じる、笑い声で、彼女は笑う。
やがて、溜息をついて笑うのをやめた。




 「はあ。巧くいったと思ってたのに。」

ライセンス

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  • この作品を改変しないで下さい
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緋色花簪

すごく読みにくかったと思います。

すみません!!

閲覧数:148

投稿日:2012/05/30 21:21:47

文字数:963文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    犯人探しがおもしろい
    私もやってみたいwww

    しかし…ルカさんだったかぁ…
    はたして動機は!?

    2012/04/22 23:52:25

    • イズミ草

      イズミ草

      しるるさんなら、リアルでも、小説でもちょちょいのちょいですよww

      るかさんでしたあww

      どうやって動機を書こうかなぁww(未定ww

      2012/04/23 18:43:25

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