初恋メロディー 過去巡り そのさん



次の日、昼休みになり私とハナは

「んーじゃ、まずはヒロと優希(ゆき)がいるクラスに行こっか?」

「うん。ハナ…スカートにお昼の焼きそばがついてる」

スカートをパッパッと払い、元合唱部のヒロ達がいるクラスに2人で向かった


ヒロ達を探すが…

「いない…ねぇ」

「うん。いない」

クラスの中にヒロと優希がいなかったのでクラスの子に聞くと

「あの2人なら……音楽室だっけかな?」

「本当?ありがとう」

私達は音楽室に向かった



階段を上がりながら

「何だろうね?音楽室に何か用があるのかな?」

と前を歩くハナが聞くので

「もしかして…吹奏楽部を見学とかかな?

ヒロ…中学のときに吹奏楽部っていいかも…みたいなこと言ってたし…」

「まずいね…このままじゃ流香とガク君の愛が壊れてしまう…」

ハナが妙に真剣に考えるので

「壊れません!!大丈夫です!!愛って言わないでよ!!」

「そういや2人は中3の夏から付き合ってたんだよね?」

前を歩くハナが少しだけ振り返り聞いてくるので

「………えっと…」

私がハナから視線を逸らすと

「はぁ?何?違うの?もっと後?」

少し驚くハナに

「…ごめんなさい。3年生になる前の春休みからです…」

「………………」

「…………ハナさん?」

「帰りに……アイス奢れよ…」

「……はい…」


私達は音楽室についた時に

「ん?声がするなぁ…」

音楽室の中から何人かの声が聞こえてきたので

「入ってみる?」

ハナが聞いてくるので

「ちょっと覗いてから………あっ、ヒロと優希だ」

扉を少し開けて中を覗くと、ヒロ達が音楽の先生と話をしていた

何の話をしてるんだろ?楽器の値段の話?

ん?吹奏楽部って自分で楽器買わなきゃいけないの?

楽器の値段を先生から聞いて

ヒロが「げぇ~ウチの親出してくれるかな~?」と渋い顔をしていると、

隣で優希は「高い…ね…」と淡々と言っていた

先生とヒロの会話を聞いてハナが

「吹奏楽部に行くのは難しそうだね~これはチャーンス」

と言って

「よし流香!入るか!」

音楽室の扉を開けかけたが

「待って待って!今入るのはマズイよ」

私は止めた

「何でよ?」

「ここで私達が入ってヒロ達を誘えば昨日のハナみたいになるでしょ?

そうすると先生も困るし…私も困るから…4人で話せる場所を作ろうよ」

「お~ぅ、なるほど、分かった分かった」

私達は自分達のクラスに帰るため階段を降り始めた



階段で私が先を歩いていると

「そういや流香とガク君はどこまでいってんの?」

ぶっちゃけた質問をハナがしてきた

「うえぇ~~?」

驚きながら私が振り返り

どこまでって…

どこまでなんて言えないって…

「…………」

「…………」

「…………」

2人とも何にも言わなかったが、私の顔が真っ赤になった時

「帰りのアイス……2個な…」

「何で……私が?」

「なんとなく…」

「……はい…」

帰りに奢るアイスが2つになった

まぁこれも…文化祭に出るためと思えば……はぁ…



そして放課後になり教室から出てきたヒロと優希を捕まえた

「ねぇ、2人って今時間ある?よかったら俺達とご飯食べに行かない?」

なんで2人をナンパしてるの?ハナ?

「え~?そんでその後にホテル連れて行くんでしょ~?エッチ~」

そして何でヒロもそのノリで返すの?

「私達~、一応彼氏いるんで~」

優希までっ!?あなたそんなキャラだっけ!?基本無口でしょ!?

3人の会話に心の中だけで私がツッコんでいると

「何よ?何か用?」

と、ヒロがいつもの調子に戻りハナに聞いた

「ん~、ちょっと流香がね~愛の告白だって~」

!!急に私に振るの!?

「違うわよ…愛の告白じゃないからね…」

「んじゃあ何?みんなで遊ぼうとか?」

「それもいいけど、2人に部活のことで聞きたいことがあるの…」

私が2人に聞くと

「部活?私は吹奏楽部で…優希は?」

「私も…吹奏楽…部…かな?」

予想通りの答えが返ってきた

優希…かな?って…入る気がある、とゆうことではないのかな?

じゃあ…優希から誘ったほうがいいかな?

「流香とハナは?良かったら一緒に吹奏楽に入る?」

ヒロが私達に聞いてきたので

「あのね…私達…」

新しい部を作ろうと思ってるんだけど…そう言おうとしたら

「合唱部だよ~」

「え?」

「合唱部…」

ハナが普通に言ってしまった

っ!!ちょっと、ハナ!?何考えてるのよ!?

ハナに詰め寄り

「な、何で普通に言ってるの!?遠まわしに行こうって言ったでしょ!?」

「ごめんごめん!聞かれたからつい!」

焦って私に謝るハナからヒロと優希に視線を移すと

「合唱部って…何で?」

「合唱…部…」

2人とも顔がかなり暗くなっていた

うわぁ~~、やっぱりか~~まぁ仕方ないけどさ~どうしよう?

ハナから手を離し2人に説明しようと思ったらヒロが

「何で?何で合唱部に入ったの?つーか合唱部ってあった?

部活説明会の時に聞いた覚えないんだけど…」

かなり怪訝な顔で聞いてきたので

「…えっとね、合唱部は無いの。正確に言うと今年で廃部になっちゃった

らしいの。部員がみんな卒業したんだって…」

「じゃあ、どうゆうこと?」

「えっと、合唱部は無いけど…そのぉ…私がそのぉ…また合唱をやりたいから、

合唱部をつ、作ろうと思って……で、先生に5人集まれば部にできるって

言われたから…ま、まずはハナに声かけて…その次にヒロ達に…みたいな?」

しどろもどろ答えると

「また合唱って…流香…正気?マジで?頭大丈夫?」

ヒロに頭の心配をされた

「大丈夫だよ…言いたいことは分かるよ。中学の時あんなにきつかったのに

何で?ってゆうのは昨日ハナにも言われたよ。

でも何だかんだ言っても結構楽しかったじゃない?

かなりキツイ練習だったけど、そのおかげで大会でいっつも優勝してたよね?

で、優勝するとみんなすごーく喜んでたじゃん?やったー!って…

それを高校でもまたやってみたいな~と思って。」

ガク君に言われたから合唱部を作る。それだけじゃない、

あの時の感動をもう一度…

みんなでもう一回一緒に歌いたいなぁ…と思っていたのだ

練習は確かにかなりキツかった…でも、だからその分だけ実力があった。

大人顔負けの実力を、私達は持っていたのだ

「まぁ…確かにそうだったね…優勝した時とかすっっごく嬉しかったね…

優勝校の名前が呼ばれる時とかお願い!!神様お願い!!って思って、

そんで名前が呼ばれると本っっ当に嬉しかった…泣きながらやったー!って、

他の学校もかなりレベルが高かったからなおさらね…」

「うん…あれは嬉しかった…大会に毎回…出てたけど…

毎回ドキドキ…してたね…優勝した時も…死んじゃうぐらい…嬉しかった」

ヒロと優希が中学の時を思い出して懐かしむ

「練習も朝から眠かったね…しかも休み無しだったから余計にさぁ…」

「うん…しかも…成績落とすと怒られるから…授業中に…寝れなかった」

「私は結構寝てたよ?だから流香によくノート借りてた」

「ヒロずるい…私は借りる相手…いなかった…ハナ…字汚いから」

「うるさいよ優希!一言余計だよっ!!」

優希とヒロの会話にハナが入って優希にツッコんだ

「ノート貸してもらって勉強見てもらって…本当に流香様に感謝ーだね」

ヒロが私に手を合わせて拝んでくるので私も

「懐かしいわね~よくヒロのテスト勉強みんなで見たね。」

「テスト勉強といえば…中3の一学期の中間…ヒロが…」

「うわぁー!!言うな優希!!秘密って言ったろ!!」

優希の言葉をヒロが動揺して止めようとするが

「私が抑えとく!!優希ー言っちゃっていーよー」

「ハナー!離せー!!」

ハナが後ろからヒロの両脇をがっちりと締めて止めたので、私が優希に

「え?何々ヒロがどうしたの?」

「中間の勉強…ヒロから図書室でやろうって…言ったじゃん?」

「そうだったわね~。珍しいなぁ~って思ってたけどそれがどうしたの?」

「優希ぃぃーー!!喋るなぁーー!!黙れぇーー!!」

ハナはがっちりとヒロを抑えている

「実は村上君が…図書室で勉強してたから…それでヒロも…図書室に…」

「やめろぉぉーー!!うわぁーーん!!」

「え?何?ヒロって村上君が好きだったの!?」

「え?え?いつから?」

泣くヒロに対して興味津津な私とハナ

「2年で同じ…クラスになってから…」

「うわぁぁーーん!!やめてぇー!!」



合唱部のことから話が脱線し、私達は中学の事を話し込んだ



そして、2時間後…


「あれ?何から先生の子供の話になったんだっけ?」

何でだっけ?

私がハナに聞くと

「保健室の先生と斉藤君ができてる?みたいな話……から?」

ヒロは

「違うよ!1組の篠原さんが2組の長井君のことを実は好きだった。から!」

「え~それからじゃないでしょ?」

私とハナとヒロがあーだこーだ言っていると

「流香が…」

「ん?なーに?優希?」

「合唱部をまた作る…って話から…だよ」

!!

お、思い出した!

「そ、そうだった…すっかり忘れてた…自分から話をしに来たんじゃん…」

長々と中学のことをずっと話していたよ…

しかも2時間も…廊下で…

女は話し出すと止まらないわね~

そして4人で窓を見ると

「「「「真っ暗だ…」」」」

外が完全に夜になっていたので

「帰ろっか…」

私がそう提案すると

「「「うん…帰ろっか…」」」


みんなで学校を出た。そして駅のホームで、

「じゃあね。ハナとヒロ。ヒロ…考えといて?合唱部のこと…」

「分かったよ。なるべく前向きに考えるよ。じゃ~ね。」

「じゃあね~流香と優希。バイバ~イ」

「バイバイ…また明日ね…」

と私と優希は同じ電車に乗って家に帰り、

自分の部屋のベッドでゴロゴロしていると

ん?ヒロだ…

携帯にヒロからメールが来た

 『合唱部のことだけど、優希も私もOKだよ~。

  またみんなでやろっか。』

私は『ありがとう。』とヒロと優希にメールを送り



もう寝よ…





部屋の電気を消して布団に潜り込んだ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

初恋メロディー 過去巡りその3

初恋メロディー過去巡りのその3です。

またオリキャラを出しました…が、未来音符のサトミと同じように

キャラ作りが苦手なので容姿を書けなくてごめんなさい。

閲覧数:38

投稿日:2011/11/09 15:03:08

文字数:4,348文字

カテゴリ:小説

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