……えー、っと……18cmってことは、人間サイズにすると180cmくらいか?
 それにしては42gって、軽すぎね?


 お前さ、
「何でそんながりがりなんだ?」

 マスター
「ちゃんと育ててほしかった」

 ……なんだそれ?
 ネグレクトでもしたかのような物言いだな……。

 つまりあれか、あれなのか?
「早く出したのが問題か?」

 マスター、
「今更」
 なんですけどね……。

 あ、歌教えるんだった……。

 歌のことなんかそっちのけで身長体重の話をしだしていたが、種KAITOに言われやっと当初の目的を思い出したようだ。

 やっぱり、自作の歌のほうがいいんだろうな。

 そう思ったらしい姉は、部屋の隅のほうからUSBメモリーを持ってきた。
 そのUSBには「黒歴史(笑)」とマッキーで書かれている。

 ……黒歴史?

 ……おう。

 聞いておk?

 ……おk。


 お互いの目と目で会話する姉と種KAITO。
 黒歴史って見られたくない物だろうし聞かれたくないだろうと思って気を使ってみた種KAITOの気遣いも無用で、姉にとってこのUSBメモリーは昔の資料の塊程度の扱いのようであった。
 誰の黒歴史が保存されているのやら……。と思ってしまうくらいには姉は黒歴史を気にしてはいなかった。

「これとか」
 歌ってみる気ある?

「一回歌って」
 聞いてみてから決める。

 おk。

 おk。


 見詰め合うなら すぐに交わすキスを
 抱きしめさせて 月のない夜に
 離したくない 離れたくない
 愛し 君の声だけが
 響く 耳の奥で


「一先ずサビだけでおk?」

「おkおk」

「マスター……これ、」
 黒歴史?

「そそ……作詞してる」
 文句あるか?

「全然」
 結構好きだし。

「そか」

「うn」

 二人またーりと歌を歌いつつ姉が歌を教えていたが、結局その歌は最初にサビを教えた後、教えてはくれなかった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

KAITOの種を埋め込んでみた 6

閲覧数:260

投稿日:2010/05/07 16:14:22

文字数:829文字

カテゴリ:小説

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