「ありえないっ!」

リンが横に座ってきたと思ったいなや、いきなり発した言葉。

キョトンとして理由を訪ねるカイト。

「何がありえないの?」

おそるおそる聞くと、リンはキッと顔を向け強い口調で言った。

「ありえないからありえないのっ!!!」

うん。答えになってない(´ω`)

よく理由は分からなかった。

リンは涙目になりながらも何やらブツブツ言っている。

でもカイトはすぐに気がついた。

「…レンくんと喧嘩したの?」

リンはこくんと頷いた。

やっぱり。何だ、ただの姉弟喧嘩か。

そう思い、原因を聞くとリンは静かに話し出した。

「さっきお昼寝してたらリンの方がいっぱいブランケットかかっててね…。」

うんうんと相づちをうつカイト。

リンはすでに声が震えていた。

泣いてることが、横を見なくても察しられた。

「寒いんじゃないかと思ってリンの分までかけてあげたんだけど、いいって言われて…」

大体話が読めてきた。
そこからリンの意地の強さと、レンの謙虚さが上手く噛み合わなくて喧嘩になったのだろう。

「何回もかけてあげてんのにしつこい!!って怒鳴られちゃった…」

リンはしょぼんとしている。

その様子を見て、カイトは慰めるように優しく言った。

それと同時にあることに気づく。

「リンちゃんはレンくんが風邪引くといけないから心配してあげただけなんだよね^^」

「うん…」

「だけどレンくんはいいって?」

「そう!心配してるのにレンのやつ…」

バッと顔を上げた瞬間、リンも気がついた。

「…レン」

壁からレンが覗いているではないか。(家政婦は見た!みたいな感じで←)

「今の話…聞いてた?」

リンが冷や汗をかきながら、問いかける。

レンは大きく頷いた。

動きが固まったリンは、また怒られると思ったのか、カイトの後ろに隠れた。

でもカイトは小さく息を吐くと、その場から離れた。

カイトは立ち上がるとレンを見て、にっと笑った。

レンはためらいながらも声を出した。

「…リンッ!」
「ふぇっ!」

バタン

ドアを閉じた辺りだろうか、廊下越しに聞こえた2人の会話は和やかだった。

「あの…さ、ごめん。」
「!?」
「俺もさ…~」

レンもリンと同じ気持ちだったのだろう。

リンの分までかけてしまうと、リンが寒いだろうから。

相手のことを思ってたからこそ起きた喧嘩なんだな…。

そういう喧嘩も悪くないと、カイトは思わず笑みがこぼれる。

立ち聞きも良くないと思い、自室へ向かうカイト。

その足取りは弾んでいた。
















しばらくするとカイトは眠っていたことに気づく。


時計の針はあれから二時間経ったと教えてくれた。

静かになった廊下をあくびしながら歩く。

さっきの部屋に行くと、キッチンでメイコとミクが夕飯の支度をしていた。

入るなり、静かにねとメイコに言われた。

ハテナマークが浮かんだが、ミクが横目でにこにこして見ている。

カイトもすぐにわかった。

「…そっか、仲直りしたんだね^^」


そこにはリンとレン、2人がくっついて仲良く寝てる光景があった。

ブランケットも2人均等にかかっている。



もうすぐ夕飯だけど起こさずに、もう少しだけ寝かせることにした。






end

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

昼寝事件


これは私がpixivに投稿した中で一番評価が高いものです(笑)

鏡音×兄さん
です、一応←

閲覧数:218

投稿日:2011/05/15 21:18:47

文字数:1,397文字

カテゴリ:小説

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  • 瓶底眼鏡

    瓶底眼鏡

    ご意見・ご感想

    なんか凄く癒されます……こういう雰囲気大好きです!

    ちゃんと謝って仲直りできるっていいですよね……うちだと兄弟喧嘩すると大抵謝らずうやむやになっちゃいますよ……

    2011/05/15 23:37:26

  • シベリア

    シベリア

    ご意見・ご感想

    鏡音の喧嘩ってなんか癒されます(((ぇ
    カイト優しい!リン優しい!レンも優しい!
    二人にうちがブランケットかけてあげる!
    そしたら喧嘩はなくなr(((((やめれ

    寝る時間…いいなー…
    うちは絵とPCと宿題と部活で寝る時間がw((じゃあやめろよ(((やだ←
    っていうか、学校から帰ってきて寝よう!とおもったら絵描き始めてそのまま寝れないっていうw

    面白かったです^^ブクマもらいます!

    2011/05/15 21:45:20

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