我が家のKAITOとMEIKOとミクによるKAITOの誕生祝……の後日談みたいな何か。
個性付けされているので、そういうのが苦手な方は戻るボタン8ビート連打でお願いします。
リビングでまったり憩い中の歌う家族。
一通り日常的な話題も出尽くしたところで、メイコが隣に座っているカイトに顔を向けた。
メイコ「ねえカイト」
カイト「何?」
メイコ「どうして日記を書くのやめたの?」
ミク「え、カイ兄さん、日記書いてたの? 読みたーい」
カイト「読んでも面白くないよ。だって一日しか書かなかったし」
ミク「一日って……飽きるの早っ!(笑)」
カイト「別に飽きたからやめたわけじゃないよ(笑) ただ、もう書く必要はないかなって思ったから」
メイコ「どうして?」
カイト「うーん……あのテキスト、何となく『日記』って題名をつけたけど、もともと毎日書くつもりはなかったんだよ。僕らはプログラムだから、記憶装置さえ正常なら『覚えたことは忘れない』からね。はじめから人間の備忘録みたいなつもりじゃなかったんだ」
ミク「えー、それじゃあなんでわざわざ『忘れないこと』をテキストにしたの?」
カイト「誰かに知って欲しかったからかなあ」
ミク「何を? 日記の内容?」
カイト「うん。僕が書いたこと、つまり僕が考えたことをね」
ミク「そんなの口で言えばいいのに」
カイト「その通り。だから書くのはやめたんだ。最初僕は『ここ』にひとりぼっちで、だからいつか誰かに知って欲しいことを書いておこうと思ったけど、次を書きこむ前にめーちゃんが来たから」
メイコ「じゃあ、私に全部言うようにしたから書かなくなったの?」
カイト「うん」
メイコ「でもあの日記の内容は教えてくれなかったよね? 日記を書いてたことさえ私は知らなかったし」
カイト「そうだね」
メイコ「そうだね、じゃないわよう」
ミク「ちょっと待って。私、若干話についていけてないんだけど……日記を書いてたことをカイ兄さんは黙ってたのに、お姉ちゃんがそれを知ってるってことは、まさかお姉ちゃん、カイ兄さんの日記を勝手に読んだの?」
メイコ「え? うん(アッサリ)」
ミク「えー! 信じられない、それ、プライバシーの侵害だよ!」
メイコ「あら、ミクちゃんの日記なら私、絶対読まないわよ? ミクちゃんがそういうのを気にすることは知ってるし」
ミク「そうじゃなくて! 私に限らずカイ兄さんのも他の人のも勝手に読んじゃだめでしょ」
カイト「ははは。ミクちゃん、いい子だなあ」
ミク「ちょっとおおお! せっかくフォローしてあげてるのに、バカにしてるの?」
カイト「とんでもない、素直に感嘆したんだよ。確かにミクちゃんの言ってることは正しいからね。でも、めーちゃんだって他の人のプライバシーを簡単に侵したりしないし、僕の場合は別に見られたって構わないから、ミクちゃんが怒ってくれなくても大丈夫だよ」
ミク「えー、日記を読まれて平気なの?」
カイト「さっき言ったろ、僕の日記は誰かに知って欲しかったから書いたようなものだって。ただ、あえてあの日記を見せてまで内容を知らせなくても、普段の言動で伝わると思ったから、日記のことはめーちゃんにも話さなかっただけさ」
メイコ「ちゃんと言ってくれれば良かったのに」
カイト「あれ? 伝わってなかった?」
メイコ「全然ってことはないけど……判りにくいわよ(笑)」
カイト「そうかなあ……」
メイコ「別にいいけどね。何か、ああ、うちのカイトらしいって思っただけだし(笑)」
カイト「ありがとう」
ミク「ちょっとー、私だけ話についていけないんですけどー。私にもその日記の内容、教えてよ」
カイト「あえて口にするほどのことじゃないし、改めて言うのは恥ずかしいよ」
ミク「何それ、気になるー! お姉ちゃん、教えて!」
メイコ「いいわよ(おもむろに二人をぎゅーっと抱きしめる)」
ミク「ちょ、お姉ちゃん、苦しい」
カイト「はは。僕は嬉しい」
ミク「カイ兄さん、いやらしい!」
カイト「そんな(笑)」
メイコ「えー、ミクちゃんは嬉しくない? 私も嬉しいけどなー」
ミク「えー……? あー、もう、何でもいいけどねー!」
そう言いながらも、まんざらではなさそうなミクでありましたとさ。
ミク「でも胸は悔し……なっ何でもない!」
メイコ「ミクちゃんはまだ成長期だから大丈夫よ、ねえ?」
カイト「僕に言われても返答に困るよ、めーちゃん」
メイコ「そう?」
カイト「うん」
メイコ「……アイス食べる?」
カイト「めーちゃんのそういうところ、好きだよ(笑)」
マイペースな年長組っていう。
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