それから幾日が経ったある日。少女の墓が見える家の屋根の上に少年と劉華はいた。劉華は少年から数歩下がった方で立っていた。少年は何も言わず、座りながら少女の墓を見ていた。
「・・・埋葬は終わった様ですね」
「・・・あぁ・・・」
素っ気無く返事をした少年に何か劉華は言おうとしたが、それをつぐんだ。しかし意を決したらしく ギュ、と右の手の平を胸の前で握り締め、少年に問うた。
「・・・大丈夫・・・、なのですか?」
「何がだ?」
少年に返され劉華は再び口をつぐむ。しかしそれも一瞬でさらに劉華は続けた。
「あの方の名前は リン、でした。そしてあの姿・・・とても・・・似ています。
貴方に」
少年は何も言わなかった。劉華は続ける。
「貴方は普段、頭巾を真深く被っています。だから顔が見える事はあまりない・・・。けれど・・・
私は貴方の顔を 見た事があります。
似ています・・・。髪・・・、目の色・・・、全てが・・・。何か・・・関係がおありだったのでは?
貴方が人間の時と・・・」
劉華の言葉の最中に少年はずっと真深く被っていたフードに手をかける。そして、
「レン様」
劉華が少年の名――レン、と呼ぶのと同時にフードを脱いだ。
「・・・・・・・・・・・・人間時の名であまり呼ぶな、と言ったが・・・」
「え・・・ あ! す、すいません思わず・・・!」
ハッとして劉華が謝るとレンは相変わらず抑揚をつけずに「いや、別に他の者がいなければ良いが・・・」と言った。そして、続けた。
「・・・確かに・・・関係が無い、と言えば・・・嘘になるな」
「・・・そう言えば人間の時、恋仲だった方がいらっしゃると聞いた事が・・・」
ふと思い出した様に劉華が言うとレンは言葉をつぐむ。
「それが、 彼女だ」
劉華は目を見開き、そして次の瞬間跪き
「も・・・申し訳御座いません!」
叫ぶ様にしてレンに言った。
「・・・何故劉華が謝る?その必要は無い・・・・・・」
「だって私は貴方の大切な方を・・・!」
パッと顔を上げ劉華は言葉でレンに迫る。
「レン様は・・・寂しくないのですか!?」
「・・・・・・・・・・・・」
レンはその問いかけにしばらく黙っていたがふいに口を開くと、
「寂しくない」
短く、そう言い放った。
鎌を持てない死神の話 9
後一つです。駄文の癖して長い・・・!
とりあえず死神様も元人間でした+少女の前世と恋仲・・・
後者は漫画描いてる当初はそんな予定無かったのに描いてったら「あっるぇ?」みたいな感じになりました。
変な自分設定組み込んでごめんなさい。素敵曲のイメージぶち壊しすぎですね私うわぁ。
それでもこんな話でも読んでもらって「あ、鎌を持てない死神の話、一回聞いてみようかな」 なんて思ってもらえたら幸いです。
後一つなんで頑張ります・・・!
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ご意見・ご感想
planetype
ご意見・ご感想
こんにちは。拝見させていただきました。
死神も鎌も、一度自分の死を経過しているから、殺す相手に情を持ち得るんですね。
ルカさんのように、歴世のベテランともなれば、上手いこと葛藤に折り合いをつけられるんでしょうが。
死神になって日が浅いレン君が、しかも生前の恋人の死を目前にして、淡々と仕事をこなすには、どれだけの決意と覚悟を用意して、リンの前に舞い降りたんでしょうか。。。
死ぬまで他人同士である方がきっと楽なのに、デートまでして思い出を残して。
最後の「寂しくない」という言葉を放つ為に、彼がどれだけ苦悩したのか、身に抓まされます。
ところで、死神と鎌のヒエラルキーはどうなっているのかが気になりますね。
少なくともルカさん、ウン百年仕事してるぽいのに、新米もいいとこのレン君に敬語遣ってたりしますが(笑。
長文失礼いたしました。次回で筆了とのことで、物語の結末を楽しみにしております。頑張ってください。
2010/03/22 13:49:46
lunar
こんにちは。メッセージ有難う御座います。
えーと・・・経歴で言うとレンのほうが、死神やって長いです。で、劉華さんの方がまだ日が浅いのです。説明不足ですいません。
後、これも私設定なのですが深朽は元から『鎌』として働いてます。
なので劉華さんみたいに人間の魂が『鎌』になるのは稀なパターンだと思って下さい。
死神様(レン)の場合は極めて稀です。ホンッと珍しい位、です。
あ、劉華さんがレンに敬語なのはやっぱり死神の方が鎌よりも格が上、と言ったら可笑しいですが、まぁそんな感じです。
・・・ヒエラルキーって・・・なんですか?(おま
・・・上下関係の事ですね分かりました。それは上に書いた通りです。
こんな駄文でも楽しみにして頂けるとは・・・!が、頑張ります!
2010/03/22 14:39:33