「お母さん、スムージーのおかげで新しい仲間も喜んでくれたわ。ありがとう!」

「うぅっぷッ……ムゥオッ!」

 フーガは、どこが喜んでいるんだっ! と言いたかったが、いま喋るとマーライオンになってしまうので諦めた。彼女《ミク》がする回復と言う名の拷問は、このパーティーだと通過儀礼なのだと青年は解釈するのだ。

「ふぁ〜ぁ…新メンバーの回復もおわったし、そろそろ宿に行こうよミクちゃん」

 背伸びをしながらリンは、ダンジョンから出ようと提案する。リンがあくび混じりで肩を伸ばすのは、眠気があるからだ。

「うん…でも、クエストは失敗しちゃったからGは貰えないよ……」

「あ〜っ、そうだったわね…。まっ、あたしは良いわよ。宿くらい無くても、ここで寝泊まりすればいいじゃん♪」

「それは無理だよ…ガール……」

「どうしてよ?」

「ぼくが君たちの仲間になったから、ここは自宅じゃなくダンジョンになってしまったんだ。1週間はダンジョン扱いだよ…ははっ……」

 なんと! ブルーローズ・レジデンスは、フーガの家でなくなってしまった。どうやら彼がパーティーメンバーとなったことにより、施設に変化が起きたようだ。

 その変化に対し、ははっ……と彼は涙目になって苦笑するのだ。

『※&#〜ッ!?』

 本当にごめんなさい……と3人は思うのだった。しかし、いつまでもダンジョン内に居るわけにはいかない。
 とりあえず外に出て、どこか時間を潰せる施設を探すしかないのだ。


『ドタッドタッ……』


 パーティーがダンジョンの外へ出ていくと、夜空には雲ひとつない満天の星空が輝いていた。青い満月と銀河が拡がる空のセカイは、引きこもりだった青年を歓迎しているようだ。

「空の星が、こんなに綺麗だったなんて……ぼくは気づかなかったよ……」

「フーガさん。あの銀河には、いろんなセカイがあるんですよ」

「いろんなセカイ……?」

「私がお母さんから聞いた話なんですが、銀河には希望という名の“夢の駅”があるのよって言っていました」

「希望という名のドリームステーションか……いい響きだね」

「星が煌めている、その一瞬にヒトは生まれて 同時に消えていく。約束された場所に…未来はけっして、君を裏切らない……って、いい言葉が銀河のセカイに残っているらしいです」

 フーガはミクから聞いた言葉に深く感銘を受けた。彼女が言う、銀河の広いセカイには、なぜか……少年を乗せた蒸気機関車が星と星の間を走って冒険している、そんな幻想を見たような気がした。

「銀河を見て、わかった気がする…。ぼくを襲った孤独な暗闇が、その行く手を遮ろうとしても 信じた夢だけは譲らないでいたから……君たちに会えたんだね」

「そうですよ、フーガさん♪。私たちはこれから、いっしょに旅をする仲間です♪」

 パーティーが見上げる夜空の星に、流れ星が走った。それは銀河だけがなせる、流星のファンタジーであり、無限大な宇宙がヒトに見せる理想郷の姿であった。

『…………』

 流れ星にそれぞれ願いごとをするパーティー。彼らは、自分たちのメンバーが最後まで『いっしょに居られますように』と願った。

 冷静沈着なレンは願いごとのあと

 ──オッさん世代にしか、わからないネタするなーっ──と心のなかで思うのだ。

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G clef Link 母と子の約束9

次話
https://piapro.jp/t/ap5D

愛するために必要なこと
それは Bravely Fightだっ!

まだ10代の君たちにも見えてきただろう?

Galaxy Expressが……。

9が3つそろったExpressが見えてきたはずだ!。


※999はマジで名作です※

https://youtu.be/uuf_sahgk_s
歌うま海外勢のダイアナさんによるカバー
歌い手さんを目指すヒトにぜひ視てもらいたいです

閲覧数:129

投稿日:2020/01/09 23:17:00

文字数:1,389文字

カテゴリ:小説

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