見つからぬ様に
上る階段 二人の影が交差する
扉を閉じて息をひそめる
気配が消えるのを確認し
カーテンを外し縄を作る
ゆっくりゆっくりキミは
降りていく
着地したのを確認し
自らも降りようとした瞬間
ドアが開く音がした
「走れっ!」とキミに叫び
地面に飛び降り
キミの元へ急いだ
けれど キミの姿が見当たらない
何度も何度も名前を叫んだ
後ろに気配を感じると同時に
身体に鈍い痛みが伝わる
気を失い目を醒ました
僕の目に映ったのは
透明なガラスの扉に足枷を付けられたキミの姿
そしてガラスに映る同様の僕
キミと僕は
互いの居る方へ何度も手を伸ばす引き裂けそうな腕と
消えそうな声を張り上げた
命が消えるまで
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