知らない匂りがしてる　それで隠せてるつもりなの？
「忙しい」って昨日の言葉も　屹度嘘ね

赤い花のビードロは　てのひらを零れ落ちて
艶めいたガラスが　きしり。　秘そめて鳴いた

私は今、誰の腕の中　あなたは今、誰と夢の中
薄く立つ煙の向こうに　霞むまぼろしを見つめていた
気付け無いまま忘れましょう　傷付けあう前に終わりましょう
赤い花が揺れて最後の夢を見せていた

知ってるわ　私の事が面倒になったのでしょう？
触れた指の冷たさが痛かった

次に目を開けたときには　もう　あなたは屹度いなくなる
深く刻まれた　赤い線　花は軋む様に散った

このまま全てをここに閉じ込めて
いつまでも傍にいられるように

砕けたビードロの破片の　花を繋ぎ合わせても
はらりはらり崩れ落ちていく　もう咲くこともないのです
醒めぬうちに忘れましょう　冷めてしまう前に終わりましょう
嗚呼　少し疲れただけ　今はただ眠らせて

あなたは今、誰と夢の中　私は今、誰の腕の中
消えた煙の残り香に　いつまでも縋り付いていた
壊れたこの世界の欠片を　震えて繋ぎ合わせても
ぽろりぽろり零れ落ちていく
涙が止まらないのは　悲しみの在り処を知ったから
あがり花が告げる最期の　さよなら

あなたを愛しています