「なんで・・・今日結婚式のはずじゃあ・・・」
魔法使いは黙り込んで考えました。
MEIKO姫がここに来たのは自分を処刑するためだと気づきました。
なんせ、国の大事な姫を殺しかけたのです。それぐらいは当然だと思いました。
「好きにすればいいわ。毒蛇の壷にも入るし、真っ赤に焼けた鉄の靴も履くわよ」
魔法使いがそう言うと、MEIKO姫はくすくすと笑い出しました。
「??なに?何か変なことでも言った?」
「言った言った。そんなこと考えてたんだ。意外と悲観主義なのね」
魔法使いは眉をひそめました。
「違うの?」
「違うわよ。結婚式の招待に来たの」
「はあ?あなた正気?ばかげているわ」
魔法使いの悪口にも怒らず、MEIKO姫は言いました。
「国のみんなにも反対されたわ。でもね、あんたがあの魔法をあたしにかけてくれなかったら、あの人とも出会えてなかったと思うの」
「でも、私はあなたを殺しかけたわ」
言い募る魔法使いに、MEIKO姫は堂々と答えました。
「あたしは今生きているわ。それで十分よ」
そう言って、MEIKO姫は魔法使いの手をとって、家の中から連れ出しました。

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眠れる森のMEIKO姫6

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投稿日:2009/03/28 21:13:24

文字数:483文字

カテゴリ:小説

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