湿り気を帯びた風はやがて雨を呼び
私達の間に水面を作るのだろう
深く抉れてしまえば足は踏み出せず
煙雨で顔もよく見えなくなってしまう

そこにいるのかを何度問いかけても
濁流が飛沫が何もかも遮ってしまう
届かない届かないどこでなにを今も
俯いてしまえば声は出ないのにだから

その地が崩れ落ちてしまう前に
私はその手を取らなければいけない
爪の先だって構わないから届きたい
暴れた風がひと打ちそして前に前に

届くのなら幸運だって引きずり出す


宿り木に逃げた鳥はやがて空を飛び
私達と離れて水面を作るのだろう
酷く汚れてしまえば指は差し出せず
日差しで声もよく聞けなくなってしまう

「そばに居たいの」と何度呼びかけても
奔流で嘆きで何もかも訝ってしまう
叶わない叶わない終われ消えろ全部
傾いてしまえば水は落ちるのにだから

その目が夜に落ちてしまう前に
私はこの身を賭けなければいけない
髪の先だって構わないから伝えたい
解れた歌がひとすじそして前へ前へ

叶うのなら悪運だって使い果たす


かき回したいミキサーで脳みそ全部
出せない答えを書いても紙は真っ白
小さな星が流れてまたすぐ闇になる
よくあるただの下らない結末だよ

なんで逃げられないんだ
なんで追いかけてくるんだ
なんで放っといてくれないんだ
なんで今目の前に立ってるんだ

こぼれてく脳みそのかけら見える?
もうなに言ってるかも良くわかってない
どうしたら正解か問題も読めなくなって
見ないようにしてた始まりを突きつけた

最初から答えはひとつだけだった
星はやがて急速に収束し終息に集約する
大切なままのおかえりとただいま
エピローグには少しだけ早かったらしい

なにも終わっていないままなのに
少しだけ笑っていられるのはきっと
なにも始めていないままなのに
少しだけ歌っていたいからだずっと


振りほどきたかった指を掴んでしまうのは
これからの景色見つけたいと願ったから?

小さなおかえりとただいま
握りしめた手のぬくもりは
次なる幕開けへのささやかな花束

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  • 非営利目的に限ります

幕間グラビティ

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投稿日:2024/11/30 22:07:47

文字数:870文字

カテゴリ:歌詞

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