オリジナルのマスターに力を入れすぎた結果、なんとコラボ(2人)でお互いのマスターのお話を書けることになりました!
コラボ相手は、カッコいい素敵なお姉さんの生みの親、つんばるさんです!
上記の通り、私とつんばるさんのオリジナルキャラ(マスター)が登場します……というか、マスター(♂)×マスター(♀)です。
そして、ところによりカイメイ風味ですので、苦手な方は注意してください。
おk! という方は……。
(つ´ω`)<ゆっくりしていってね!>(・ω・春)
*****
扉を開くと、予想通り、コラボ相手が立っていた。
手にした荷物は……ノートパソコンか。新しく買っていたのか。
おじゃまします、という言葉に応える前に、俺の背後からメイコとカイトが顔を出す。
「こんにちは、アキラさん」
「今日はよろしくお願いしますね!」
弾んだ声で挨拶する2人の影で、俺はこっそり溜め息を吐いた。
こいつらがいてくれて助かった。そう思いながら。
―Grasp―
悠編 第二話
2人にこちらこそと言葉を返してきたアキラに、上がれとジェスチャーで示して、通れるように脇へ退く。
本当は、まぁ上がれよ、と、それくらいの事は言いたかったのだが……どうした事だろう、舌が麻痺してしまったように、動かない。
「あ、アキラちゃん来たんだ? 久しぶりー」
「こんにちは、アキラさん」
その声に、ふと我に返る。
見ると、廊下にミク、リン、レンが並んで立っていた。
「やあ、久しぶりだね、りんちゃん、初音さん。……れんくんはそんなに久しぶりでもないような気がするけれど」
「お、お久しぶりです……」
緊張気味な声で挨拶するレンに、俺はやはり、と思った。
少し前に、レンが家からいなくなって、あちこちに聞いて回って、アキラの家に迎えに行った事があった。
その時に、レンが何やら思い詰めてた様子だったから、アキラと何かあったのかと思っていたのだが……どうやらその通りだったらしい。
「そうだ、おみやげ。メープルの入ったバウムクーヘンなんだけど。はい、初音さん」
「ありがとうございます」
思い出したようにアキラが差し出した紙袋を、ミクが微笑して受け取る。
だが……彼女の笑顔が少し堅かった。
ミクは俺に告白を断られたばかりで、その直後にアキラを家に呼んだ事になるわけだから、俺の推測はあながち間違いではない、と思う。
……自惚れだろうか。
「おお! アキラちゃんさすが、気が利くぅ!」
「……リンに渡さないあたり、ちゃんと人選んでるよなー、アキラさんは」
仲良さげに喧嘩を始めたリンとレンの横を、アキラに続いて通り過ぎる。
ついでというわけではないが、ミクの頭を撫でてやった。
もし、ミクの考えが俺の推測通りだったとしたら……それは俺のせいだ。
だからといって、あのような断り方をしてしまった以上、俺にはどうする事もできないのも事実だが。
まったく、我ながら情けない奴だ。
「さて、と。机、かりますね」
「え? あ、ああ」
突然声をかけられて、面食らいながらもそう答える。
アキラが机上でノートパソコンを起動させるのを、ぼんやりと視界に入れた。
そこでやっと、彼女が俺に話しかけていた事を知る。
今は、うちのめーちゃんとカイトが、何やらアキラと言葉を交わしているが(大方、アキラのとこのメイコとカイトの事だろう)、全部耳を素通りしていく。
頭が、回らない。
「ほら、白瀬家のメイコさんとおとうとくんだよ。ふたりともご挨拶なさい」
「わぁ、筐体の方……! よろしくお願いしますね! メイコさん、カイトさん!」
「よろしくお願いします、メイコさん……と、おとうとさん?」
「弟、ですか……」
ああ、なるほど、自分のとこの2人を呼び出してたのか。
アキラと東雲カイトに、"おとうと"呼ばわりされ、うちのカイトが少し複雑そうに、めーちゃんを見る。
弟か。そういえば、こいつが初めてうちに来たとき、めーちゃんの事を姉と呼んでいたっけな。
そんな事が、頭の片隅に浮かんだ。
「……ちょっとカイト、カイトさんにしつれいでしょ」
「ん? おとうとくんがいいならいいんじゃないか? どうせ名前なんて記号だよ、誰を指しているのかわかればいいんだから」
「まぁ……そう呼びたければ、それでいいですけど」
こういう時、苦笑だけを返して許容してしまうのは、こいつの癖だ。
内心はかなり複雑だろう。カイトとめーちゃんは、既に姉弟以上の仲だと勝手に解釈している。
……待て待て、俺は何をのんきに他人の事を考えている。
まさか、このままアキラと目も合わせずに今日の作業を終わらせるわけにもいかないだろうに。
「……先輩? ハルちゃん先輩!」
呼びかけられて、顔を上げると、部屋中の視線が俺に集まっていた。
「あ……悪い。どうかしたか?」
「いや、インスト制作したいんですけど、ちょっと教えてもらえませんか?」
何を、だなんて質問はしない。流石に俺だってそれくらいの推測はできる。
アキラが示した機材に歩み寄って、指示を出していく事にした。
ちなみにこの機材、結構昔に、「新しいの買ったからあげる」と、美憂が譲ってくれて以来、使っているものだ。
それほど新しいものではないが、そこそこ気に入っている。
「えっとだな、そこをそうして……」
「こうですか?」
「そう。で、次は……」
簡単に説明しながら、俺は戸惑っていた。
何だろう、この感覚は。
アキラの周囲の空間だけが、異質なものになってしまったようだった。
ちゃんと目を見て話したいのに、まっすぐ見据える事ができない。上手く声が出ない。
俺が、そう思っているからか? アキラの事を、そう、思っているから……?
「……ハルちゃん先輩、なんでそんな遠いんですか」
不意にかけられた声に、はっとする。
言われてから気が付いた。実際に機材を操作しているのはアキラだけ……俺はその後方、不自然な距離を取っていた。
「あ、いや……」
「もっと寄らないと聴こえませんよ」
何の事だ、と考えかけて、納得する。
さっきの説明で、試しに少しだけ、簡単にインストを制作してみていたらしい。
だが、近寄る、と考えただけで、体が熱くなるのを感じた。
同時に、鼓動が暴れだす。
それと似た感覚を知っている気がして、直後、戦慄を覚えた。
「ハルちゃん先輩……さっきから顔色へんですよ。具合悪いんですか?」
俺がどんな顔をしていたのか……アキラは気遣うように声をかけて、覗き込んでくる。
「っ……!」
アキラの指先が俺の額に触れる前に、俺は思わず、素早く身を引いていた。
驚いたような彼女に、一気に後悔が押し寄せてくるが、それ以上に、壊れてしまいそうな鼓動を抑えるのに必死になっていた。
「……悪い、ちょっと、席外す」
「は?」
突然の言葉に、アキラが困惑するのがわかったが、構わずにドアを開けて、部屋を出た。
背後から、めーちゃんたちが呼ぶ声も聞こえてくるが、今の俺には応えるだけの余裕がない。
……あれ以上あの部屋にいたら、もたない。
アキラと一緒の空間にいるというあの状況に、耐えられない。
何故か。そんな事はわかっている。
体の熱さも、鼓動の速さも……俺を脅すような、そんなものへと、移り変わっていた。
【オリジナルマスター】 ―Grasp― 第二話 【悠編】
実は前からこっそりそういう事を考えていたんですが、なんとコラボで書ける事になってしまった。
コラボ相手の方とそのオリキャラさんが素敵すぎて、緊張しております……!
わっふー! どうも、桜宮です。
悠さん、共同作業にぐるぐるする、の巻。
いい歳して、案外純情な人です←
これだけ挙動不審だと誰かが気付いてそうなもんですけどね……(笑
アキラ編では、アキラさんが作業してるみたいですので、そちらもぜひ!
東雲晶さんの生みの親で、アキラ編を担当しているつんばるさんのページはこちらです。
⇒http://piapro.jp/thmbal
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ご意見・ご感想
桜宮 小春
ご意見・ご感想
コメント返信遅くなってすみません……!!
西の風さん>
わっふぅです!
によによしていただけて嬉しいです!
つんばるさんのとこのアキラ嬢がカッコいいからですね、うちの悠さんもそれくらいカッコよければいいのに←
悠さんにはこれからちょっとずつ頑張ってもらう予定ですので、楽しみにしていてください~。
続きも頑張っていきます! コメントありがとうございました!
2009/09/18 14:33:33
西の風
ご意見・ご感想
わっふぅ。今更ですが。こっそりによによしている西の風です。
このオリジナルマスターのお二人の行く末が楽しみで仕方ありません。作品内のコラボもどうなるのかわくわく。
とりあえず、悠さん頑張れっ、と思ってしまったのでそれをそのまま書かせて頂きます。
乗り越えられることを祈りながら…。
続きもゆっくり待たせて頂きますねー。
2009/09/16 23:07:43