人間とアンドロイドとの平和を作り上げることを目的にした、アンドロイド平和統括理事会。カイトたちのMARTとは、互いが持つ裏側の面で対立しあう、相容れない関係である。
その直属の査察部隊、AAA(Android・Assessment・Agent)。通称はトリプルエーと呼ばれる。長らく、重音テト・波音リツ・天音ルナの3人によって、この部隊は構成されてきた。いつしか「不動の三星」と、組織の内外で呼ばれるほどに。
しかしある日、MARTを壊滅させるという最大の作戦の実行を目前にして、執行長の重音テトは別の作戦で突然の失踪を遂げた。多くの謎を残したまま…時を同じくして、天音ルナも突如として理事会を離反し、MART側に寝返ることとなる。いなくなった2人の後に、ただ1人残された波音リツ。これは、そのリツの回想である。
「…そういえば、テトの部屋に入るのは初めてだったな」
元執行長…もとい重音テトが、私たちの前から忽然と姿を消してから、半年ほどが過ぎた。その後も行方はまったく掴めず、彼女は謎の失踪を遂げたことにされる。
理事会に絶対な忠節を尽くしているテトの忠誠心は、誰もがよく知るところだった。その上、彼女の「強さ」といったら、右に出る者はまずいない。そう考えれば敵に易々と捕まることも、天音ルナのように寝返ることも有り得ないだろう。だからとは言えないが、組織内の一部では殉職説が広まっていた。
私も最初、彼女は死んだのかもしれないと思った。だがそれは違う。誰も知らない、私だけが知っている真実。重音テトは生きている。もっとも、それに気づくのが遅すぎたのだけどね…
「これは…手帳かな」
私がそんな確信を持つに至ったのは、行方不明になったテトの手掛かりを少しでも見つけたいと思い、空き部屋となった彼女の私室を久しぶりに訪れた時だった。まさか、物盗りに入ったわけじゃない。
部屋の奥へ行き、おもむろに机の引き出しを開けると、羽ペンと一冊の手帳が出てきた。ついで銃の空薬莢も、いくつか入っていた。私がこの部屋に入るのは、テトにまとめた報告書を渡しに来た時ぐらいだ。交わされるのは、沈黙の多い必要最低限の会話。プライベートの話なんて、一言も飛び出した試しがあっただろうか。
そんな関係性の私たちだから、自分は重音テトのことをあまりよく知らない。長い間この理事会にいるけれども、あれは感情を表に出さないから、いつも何を考えているのか分からない。同じトリプルエーの一員なのにね。
だからこそ知りたかった。重音テトという人物を。今となっては、無意味なことなのかもしれないけど。私は恐る恐る、テトの手記であろう手帳を1ページずつ、時間をかけて読み進めていった。最初のページの日付は、理事会が設立された年の6月から始まっていた。その前にもページがあったのだろうか、何枚か破り取られた形跡があった。
~6月4日~
私がこの極東を訪れてから、早くも1年が経った。南欧の夏に比べれば幾分かはましだったが、それでも照りつける日差しといえば、暑いの一言に尽きるものだ。
ローラはなぜ、私をこのような島国に連れてきたのだろうか。そして何より、なぜ私を生み出したのだろう。私の頭の中は、自分という存在の謎で溢れている。
~6月6日~
今日は背広を着たローラに連れられて、東京に向かった。移動中の車内でローラが「アンドロイド平和統括理事会」という組織を立ち上げ、自ら理事長になったことを聞かされた。そしてこれから、私にその支えになって欲しいという話だった。
私はいつでも、キミの側で支えになっているつもりだったのに。
いや、今そんなことはいいんだ。私はローラが望んでいるなら、何だってやってやるさ。例えキミにどんなことを言われようとも、私はすべて受け入れる覚悟さ。
「…やっぱり理事長とテトは、昔からの知り合いだったのかしら」
ここまでの内容は、理事会設立の直前までだ。私もテトと初めて会ったのが、この頃だったのを覚えている。その時に初対面の私に対して、テトが親しく接してきてくれたことを覚えている。最初の頃、私はテトを妙に馴れ馴れしいやつだと思っていたけど、そんな感情もいつから消えたのか。
~6月21日~
相変わらずの暑さだけど、理事会での仕事は順調に進んでいる。こんなに忙しい思いをしたのは、いつぶりかな。
世間でも理事会は注目の的だ。これで人とアンドロイドの共存世界も、ますます実現に向かっていくだろうってね。馬鹿馬鹿しい話だが、そうなっていけば喜ばしいことだとは思う。ローラの夢もその1つだからね。明日もまた忙しくなりそうだ。
~6月29日~
今日の昼過ぎ、ローラに呼ばれて理事会の本部にやってきた。何でも、この平和統括理事会が政府下の国際機関として承認されたらしい。
そんなこと、日本どころか世界的にも殆ど例を見ない。これもローラが色んなところに働きかけたからだろう。それが功を奏して、一団体の組織が大きく格上げすることができたというわけだ。近日中に政府の監査機関との会談と、理事会の下部組織に評議会が設置されるらしい。
それにしてもここまでする意味は…ローラ、キミは一体何を考えているんだ? これもキミの理想を実現するための、ほんの一歩に過ぎないのかい?
~7月4日~
理事会が設置された当初から比べると、できることの幅が格段に広がった。もちろん私の仕事も増えた。
ローラは相も変わらず、朝から夜まで必死になって頑張っている。1日でも早く理事会の基盤を固めるためだろうが、一体何がローラを突き動かしているのだろう。
私との会話や顔合わせも限定的になっていった。お互い、1日何をしたのかも分からずじまいの時があった。でも私は、今自分のやることをひたすらにこなすのみだ。時が経てば、いつかは自由な時間も生まれるだろう。その時にまたゆっくり話せばいい。
「…なるほど」
テトの心の内なんて知りようがなかったけど、ここまでの文を見ていると、彼女は理事長のことを好いていたのが読み取れた。どうやら重音テトというアンドロイドは、ただの忠誠心の塊ではなかったようね。そう思った私は、更に読み進めていく。
~7月19日~
理事会の体裁も、ある程度は整ってきたようだ。もっとも、他にやるべきことは山ほどあるけどね。
今日はアンドロイドの人権団体との会談が何件かあった。近年の世界におけるアンドロイドに対する人間の偏見・差別が深刻化しているということを受けて、本格的に活動していこうという提案と連携の同意を求める話だった。彼らの大半は人間だったが、私たちとの対話でも非常に積極的だった。理事長もその姿勢に、とても好意的に捉えていた。
だが人間の底というものを、私は散々見てきた。人は信用ならない。人間の中身など、たかが知れている。そんな私には、彼らがただの偽善者にしか見えなかった。悲しいことにね。でも確かに、一部ではあるけど純粋に良い人間もいる。それを知っているから、余計に悲しくなる。
理事長はどう思っているのだろうか。私たちアンドロイドを生み出し、またその自分もアンドロイドとなったその人は。ローラがいなければ、私たちはこの世に存在しなかった。だが同時に、このような人間とアンドロイドとの差別世界も無かっただろう。
私が愛してやまない、永遠の母ローラ。キミはどうして、私たちを生み出したの?
~7月25日~
この月も、ようやく過ぎ去ろうとしている。まったく早いものだ。日差しは相変わらずの厳しさだが。
今日もローラに呼び出されたが、どうやら私に関わることのようだった。何でも近いうちに理事会の中で、対外査察の役割を担うものを作るようだ。名称はトリプルエー。そしてその長を、私に引き受けて欲しいと頼んできた。
私には別に断る理由もなかった。内容を聞いている限り、普段より一段と活動が多くなるそうだから、さぞ無意味で退屈な時間も減るだろうね。ローラが言うことには、私は「執行長」という立場に就くらしい。これは面白くなりそうだ。
~7月27日~
今日、理事会でトリプルエーの正式な設置が行われた。それに伴って、私には金の星が装飾されたバッチと手帳、拳銃が渡された。ただの査察員に武器を持たせるなんて、物騒なことだ。
そのうえ更には、独自の私設部隊も置かれるというから驚いた。構想を聞いているだけでも、それはさながら一国の特殊部隊のようだ。理事長はどうしたいのだろうか?
つくづく感じていたことだが、私はローラのやることが、もう分からなくなってきた。意図もほとんど読めない。私はこのままローラや理事会に従っていることに、一抹の不安を覚えた。そんな気持ちは、余計なものでしかないのに。
先は不透明だ。だから私は与えられた使命を果たすのみだ。理事会、そしてローラが行く先にはどんな未来が待っているのか。それを私は見届けよう。この命がある限り。
「…ページがない」
この日付以降からは、すべてのページが破り取られていた。さっきもそうだったけど、内容の核心が書かれているであろうページが、なぜかみんな無くなっている。そこには、誰かに知られてはいけないような内容が、記されていたとでもいうのだろうか?
「…ん?」
ふと、手帳の出てきた引き出しを見てみると、一枚の綺麗な紙がおいてあった。手帳を取り出した時には気づかなかったけど…私は手に取って、書いてある文字を黙読してみた。
~5月11日~
やあ、親愛なる元同胞。日増しに暑くなっているが、元気かい? これを読んでいるということは、私の部屋を物色している最中なんだろうね。なるほど、つまり死んだ奴の部屋なら、勝手に物色してもいいわけだ。しかも何より、私は勝手に死んだことにされている。いやぁ、まったく酷いものだね。
ちなみに残念ながら、ここで得られるものはほとんどないよ。もう読んだかもしれないけど、手帳に関してはキミに知られたら厄介なことが、盛りだくさんな内容だったからね。だから、あらかじめ大半のページは破かせてもらったよ。
それはさておき、波音リツ。どうせ誰かの使い走りか何かにされて、これを読んでいるんだろうね。なら突然で申し訳ないが、今からキミには消えてもらう。理由は聞くなよ、それはキミが一番よく分かっているはずだから。惨いかもしれないが、感じるかい? 間もなく訪れる、死の予感を!
というわけでリツ、私からもれなく永遠の眠りをプレゼントをしよう。でも勘違いしないでくれ、別にキミのコトは嫌いじゃなかったよ? 大丈夫、心配しなくても後から仲間がやってくるだろうから。あの世にいっても、キミ1人じゃないということさ。それでは安心して消えてくれ。さようなら、りっちゃん!
「まさか…うっ!?」
その時の私は、ちょうど部屋の窓際にいた。私の命を狙って狙撃する側からすれば、絶好の場所だ。紙を読んですぐに、私は向かいのビルの屋根に誰かがいるのを見つけた。でも、気づくのが遅かった。私は次の瞬間、胸に強い衝撃を受けた。
撃たれたか…自分としたことが、迂闊だった。だけど倒れる直前、私は悟った。重音テトは生きている。そして誰も知らないところで、誰も知る由のない恐ろしい野望を抱いているということを! もう少し早く、それに気づいていれば…だめ、今すぐ重音テトを止めないと、すべてが終わる…そしてすべてが始まる…!
「フフッ、長い間お勤めご苦労だったね。永遠におやすみ、りっちゃん」
「…今、始末する必要があったのか?」
「当然。あの子も私と同じ、理事会の危険因子だからね。もっとも、それには誰も気づいてはいないだろうけど」
「だろうな。奴もあんたと同じ、巧妙な化けの殻を被った獅子身中の虫だ。でもいつかは取り除かれる」
「ああ、そうだ。だから寂しくないように、一緒に堕ちてもらうのさ。万死に値する裏切り者として、光の射さない深い深い地獄へ!」
コメント2
関連動画0
ブクマつながり
もっと見る霧雨さんのブースの前で、ルカさんとテトさんは久々に声を交わした。
「元気?ルカちゃんのとこの商品、相変わらず、いい調子ね」
「テトのとこの、テト・ドールも可愛いよね」
仲良く話す2人。
じっさいには、テトさんの方がかなり年配なのだが、タメ口を聞く間柄だ。
2人ともその方が、気が楽であるらしい。
意気...玩具屋カイくんの販売日誌(193) リンちゃんキャラの取りっ子に!?
tamaonion
“はっちゅーね”の人形を持った、リンちゃんに、どこかアヤシイおじさんは、話しかけつづけている。
「アナタもかわいいし、人形もカワイイねー。」
リンちゃんはちょっと困って、でも強気に応戦する。
「でも、おじさん。写真ばかり撮ってるけど、私が目的?人形が目的?」
おじさんは、ニコッと笑って答えた。
「ウ...玩具屋カイくんの販売日誌(189) リンちゃん攻防戦、開始!
tamaonion
ブースの前で、コヨミ君と、れおんさんは、にらみあって立っていた。
ザワザワ、と騒ぎ出した男の子たち。
それを見て、テトさんは思わず、コヨミ君に声をかけた。
「ねぇ、どうしたの? もめ事はよくないですよ」
フッと我に返ったように、コヨミ君は彼女の方を見た。
「あ、テトさん。ごめんごめん。ちょっと、大人...玩具屋カイくんの販売日誌(194) 新商品で勝負だ!
tamaonion
お店の売り場には、コスメや、美容関連のアイテムが、いろいろ並んでいる。
それを、レイムさんは目を丸くして眺めている。
「ワタシ、こういうの詳しくないんだわ~」
そうつぶやく彼女に、後ろを歩いているぱみゅちゃんは、諭す様に言った。
「そうそう。あんたはちょっと化粧っ気が無さすぎるからネ。少しは知っとい...玩具屋カイくんの販売日誌(179) レイムさんのオカルト理論 (その1)
tamaonion
「はーい。コーヒー、入りましたよ」
ルコ坊がカップに入ったコーヒーを、レン君たちに運んできた。
ちょっと不思議な雰囲気の、りりィさんのお店「星を売る店・上海屋」
りりィさんを送ってきたレン君は、美味しそうにそれを飲んだ。
「いつも、美味しいね。ルコちゃんの淹れるのって」
「へへ、どーもありがとう」
...玩具屋カイくんの販売日誌(187) 困ったヤツの目的は?
tamaonion
ゆくりさんのお店で、バイトのレン君が、青くなっていた、その頃。
東京・有明にある東京ビッグサイトで、人気のイベント「雑貨&コミック・フェア」が開かれていた。
企業のブースをはじめ、コミックやフィギュアを作る有志や同人の人たちが、それぞれにブースを出展している。
会場のホールの一角に、移動式自動車のカ...玩具屋カイくんの販売日誌(182) コミックフェアで、ひと騒動
tamaonion
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想
tamaonion
ご意見・ご感想
こんばんは。読ませて頂きました。
ボカロと人類の共存、そして対立。目的の異なる組織に、VOCALOIDやUTAUのキャラクターを配して、独特の空間を作られてますね。
思わずつりこまれました。
対立か共存か。いつでもどの世界でも、違う要素が向き合った時、問題になりますね。
しかも、組織の中での裏切りとか、立場の違いなど、より複雑な要素があるようです。
クールな筆運びで、読んでいて先がとても気になります。
舞台の設定の雰囲気が、どこかヨーロッパの東欧とかロシア、バルカン半島あたりの緊張感を思わせて、引き込まれます。
この先も期待しています。
それでは、また。
2013/03/24 20:05:31
オレアリア
tamaonionさん、今日は!
enarinさんと同じく、メッセージのお返事が遅れてすみません…
そんな、とても恐縮なお言葉です。登場するキャラクターたちの役割も、原作者の方に失礼なほどです(汗)
特にUTAUや海外ボカロの皆さんは、悪役ばっかりで←
対立や共存という言葉はいつの時も人間も含め、この世にいる生き物全てに当てはまることですよね。そうした反する要素が向かいあった時にどうするか。この理事会はMARTという、はっきりした敵と対しながら、内部に野望・不満・裏切りといった複雑な要素を抱えているんです。
tamaonionさんに、そんなところまで読み取っていただいて、本当にびっくりしました。こんな薄っぺらい小説なのに←
正直いつも、小説でもメッセージの返信でも、言いたいことがうまくまとまらなかったりするので、書くことや投稿することに時間が掛かり過ぎてしまうんです。それに伴って、少し自信がなかったり…
でも皆さんの言葉が、そういった気持ちを無くして下さいます。このことに、ピアプロの皆さんには感謝しています。
ヨーロッパ、ロシア、バルカンですか…この辺りは自分も好きな場所です。社会科での勉強でも、特にこの辺りは人一倍興味をそそられます。ボカロハーツも、ゆくゆくは欧州らへんを舞台にしようかと!
でもやたら外国を舞台にしようとすると、妙に中二臭くなりますよね(笑)
メッセージありがとうございました!次回は新しい回になると思うんですが、また見にきてやって下さい!
2013/03/29 15:51:27
enarin
ご意見・ご感想
またまたこんにちは、最近ご投稿された続きを拝読させて頂きました。
テトの手記、ということで、無事はわかっているけど、ドキドキの展開のリツさんのおかげで、ようやくテトさんと理事長など、いろいろな事の断片がわかった気がします。まだまだたくさんの謎、伏線がありますが、それは小説ですから、それを楽しむわけですね!
しかし、今回の手記で思ったのは、アンドロイド側と人間の隔たりは、今の、ボカロファンvsアンチボカロの隔たりに直結してしまうような気もします。ボカロを受け入れることができた人たちと、絶対にボカロという文化を受け入れない人たち、の大きな壁。
前に、”AK○48のメンバーがミクをやる千本桜の舞台”の問題で、AK○48ファンからボカロファンへのクレームと、ボカロファンからAK○48ファンへのクレームで、問題になったことがありました。ミクを演じる方が、折衷の言葉をかけないと収束しない事態にまで。
ボカロの文化は、もう、商業ベースですでに軌道に乗っていて、第一線を走ってますが、やはり、ボカロ文化を認めない人たちは、”ボーカルを生業にするボーカリスト達の日々の努力を考えると、機械の声である彼女彼氏達(を操る人)が儲かるのは容認できない”という名目で、未だに隔たりを持つ人がいます。
そんな事をちょっと思ってしまうお話でした。でも、ボカロやUTAUの文化の認知度は、日に日に高くなっています(UTAUの重音テトと雪歌ユフですら今年の札幌雪祭りで雪像になったくらいですから)。最後には、偏った勝利ではなく、アンドロイド組と人間が和解することを願ってます。
長文駄文、失礼いたしました。ではでは~♪
P.S 三寒四温、荒天続きの日本です。そろそろ暖かい状態が安定して続くようですが、ご自愛くださいませ。
2013/03/14 15:56:38
オレアリア
enarinさん、今晩は!
またまたメッセージを送って下さって、本当にありがとうございます!
そして、いつも似たような文体の返信でごめんなさい(汗)
今回は番外編という形で、再び理事会側のストーリーに焦点を当ててみました。そのくせメインであるはずのMARTストーリーを、あまり書いていません←
あ、リッちゃん無事なのはバレてました…?
自分も書いて読み終わった直後に、これからリツの展開をどうしようかと考えてたら、これが回想話だったことを、すっかり忘れてまして(笑)
理事長の存在、行方不明になっていた元執行長テトの生存と裏切りを匂わせる行動、日記で明かされる彼女の心境…などなどと、たくさんの伏線を張りました。ボカロハーツのストーリーは脳内で一応完成させているのですが、こういった伏線を張ると、後付けが難しくなったり矛盾を作ってしまったりしてしまわないかが不安です…
そうですね、このボカロハーツの人間とアンドロイドとの対立は、実際のボカロファンとアンチボカロの関係と重なりますね。
僕の周りでも、ボカロに対して持っている価値観の違う人は様々でした。それぞ、隔たりのある人とない人とで…
千本桜の舞台化についても、以前から双方のファンを刺激しかねないと少し懸念していましたが、やはりこういった事態を招いてしまったんですね。
ボカロは今や商業的にも文化的にも大きな存在になって、世界中でたくさんの人がボーカロイドの曲やキャラクターを通じて好きになっていくのは1人のファンとして嬉しい限りなのですが…
機械の声やオタクといった要素で、理解し難いと拒絶している人が多いのも事実ですよね。仕方の無いことかもしれないですけど、それが残念でなりません。
このボカロハーツの世界は、現代に人種差別が根強く残っているように、人間のアンドロイドに対する差別がある設定になっています。それは互いの心に負の感情がある限り解決することはないと僕は考えていますが、現実の人間が抱えるあらゆる問題も、いつかは全て和解に向かってほしい。夢物語じみた綺麗事かもしれませんが、僕はそう願っています。
そんな、本当にありがとうございました!自分もこういったことに、久しぶりに考えさせられました。荒天が続く日もありますが、自分も体調に気をつけて頑張ります!
2013/03/29 14:01:13