あけましておめでとう…。
堅苦しいか。
あけおめ。
馴れ馴れしい。
ことしもよろしく!
はっちゃけすぎだろうか。
ことよろっ!
もっとダメだ。
一体、なんと言って入ればいいんだ?
鏡音レンは幼馴染の鏡音リンの家の前で頭を抱えていた。
手に持った包みは、カイトが持っていくようにといっていた、自家製のお雑煮が入った、なべである。どうしたら、自然にいえるだろうか。
もうすぐ新年、寅年。
今年も終わって、来年になれば、あけましておめでとう、今年もよろしくお願いしたします。それを、言いに来ただけ、お雑煮を持ってきただけのなんてこともない会話をしてすぐ帰ればいいだけじゃないかっ!
「あぁ~…。クソッ」
近くにあった小石を蹴り、濃い緑にファーのついた、ジャンパーの中に首を縮めるようにすぼめた。
ドアの横にある窓は、リンの部屋。幼い頃、よく遊んだ。
ここ数年、リンを恋愛対象としてみるようになってから、自分自身で、自分はおかしいと思う。今まではリンと手をつなぐこともボディタッチも対して意識しないでやってきたのに、何故か触れることすら恥ずかしい。これが、恋と言うもの。そう、カイトは言っていた。まあ、カイトはリンの姉であるメイコのことが好きなのだから、いくらかの信憑性はあると思っていいだろう。
黄色いカーテンを少しだけ開いた。
玄関にはそわそわして落ち着かないレンの姿がある。三十分以上もあのままである。くすり、とリンは笑った。
そろそろ可哀想だし、中に入れてやるか。そっと窓を開け、リンはレンに向かって声をかけた。
「おぅい、レン!」
「ぅあッ」
「何やってんのぉ?…入りなよ。そろそろ、寒いでしょ?三十分も粘って」
「…知ってたのかよ(俺超ハズい」
とことことリンが出て行って、レンを中に招き入れる。
既に冷たくなったレンの手をつかみ、リンは暖房の近くに連れて行って、適当にあったまって、といってココアでも作りにいく。このとき、お雑煮はちゃっかり貰っておいた。
「さむかったでしょ?」
「別に。」
「…あっそ。…できたよ、ココア」
「ありがと」
「いいよ」
そういってココアを渡すと、リンは思い出したように言った。
「あっ」
「何?」
「まだ言ってなかった。…レン」
「何だよ?」
「あけましておめでとう!今年も、よろしくね!」
元気に笑顔で言う。
ふと、レンが微笑んで応える。
「ああ、よろしく」
「今年はもっと、進展がありますように♪」
そう言ってレンの頬にキスをした。なれたキスではなかった。
初めてだったのかもしれない。
「今年は…口で、できるといいな」
「…ばぁか」
「な…っ」
無関心そうに言ったレンの言葉に、リンの顔は真っ赤になった。
「そんなもん、今、やってやる」
真っ赤になったリンの顔に勝るとも劣らない赤さで、レンはリンをにらむように見て、意を決してキスをした。こちらも、下手なキスだった。
HAPPY NEW YEAR AND MY BEST REGARDS THIS YEAR!
コメント1
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ご意見・ご感想
華流
ご意見・ご感想
あけましておめでとうございます!!今年もよろしくお願いします♪
新年からこの2人可愛すぎ>ω<
この小説真っ先に見て今年いいことありそうです★
今年はもっとボカロたちが輝けますようにっ!!
2010/01/01 00:47:38
リオン
あけましておめでとう御座います、華流さん!今年もどうぞよろしくお願いいたします!
二人、両思いだったらいいなぁと。
いいコトありそうですか?よかったです!!
今年はボカロたちがもっと発展し、国民的なキャラクターになっていくことを期待します!
2010/01/01 00:52:11