アイ・ストーリー
第二話番外編「大切な人」 続きの続き
美冬でーす……って、自己紹介してる場合じゃない!
大変なの!研究所から帰ったら、リンちゃんが何処にも居ないの!
千夏やミクちゃん達は大慌てでリンちゃんを探しに行った。
私も別の場所を探そうとしていた時、出掛けていたKAITOが戻って来た。
私はKAITOにもリンちゃんを探すようにお願いして、色々な所を
探しに行った。でも、リンちゃんは見つからない。
リンちゃん……何処に居るの?
私は自分の家の近所にある公園へ行ってみた。
するとなんと!リンちゃん発見!
「リンちゃっ……!」
私がリンちゃんに声をかけようとした時、先にKAITOが現れた。
それを見た私は何故か思わず隠れてしまった。何で私、隠れてるの?
「マスターに聞いたんだ。リンが居なくなったって。」
「……何でここに居るって分かったの?」
「リンは、レンと喧嘩しちゃった時とかによく
ここに座ってるだろう?だから、何となく。」
「あ……そういえば。お兄ちゃんとも、ここで
よく会うもんね。その度に、私の話を聞いてくれて……。」
ありゃ、会話まで聞こえる。これって盗み聞きになるのかな……。
「……あのね、リン。僕、さっき夏瑠さんの学校に行って来たんだ。
レンとルカも一緒に。」
「夏瑠の……?」
「うん、レンが夏瑠にリンを説得してもらえないか
頼みに行ったんだよ。」
「レンが……。でも、夏瑠は演奏会の練習が……。」
「うん。だけど、夏瑠さん……すごくリンの事を心配してたよ。
リンを傷つけてしまったって……。」
「…………。」
「……リンは、夏瑠さんが大好きなんだよね?」
「…………。」
「夏瑠さんは、マスターじゃないけど……大切な人なんだよね?」
「…………うん。」
「……そういう気持ちを待つのは、いい事だと思うよ?」
「えっ……?」
「僕の勝手な考えだけど……。マスターの為だけに歌うのが
VOCALOIDの全てじゃないと思うんだ。大切だと思える
誰かの為に歌うのも、僕達が存在する理由の一つなんじゃないかな。」
「大切な……誰かの為に……。」
お?何か良い感じの展開っぽい!
KAITO、何か言ってる事が大人っぽい……。
ちょっとカッコいいかも……。
「……と、言っても。僕の一番大切な人はマスターだから。
これじゃ説得力ないよね……。」
……ふえっ!?KAITO……今、何て……!
リ、リンちゃんの前でそんな事言うなんて……。
……一番大切な人が『私』……。
恥ずかしいけど……。KAITOがそう言ってくれて、すごく嬉しいな。
「お兄ちゃん……ううん、そんな事ない!私……
ずっと、私っておかしいのなって思ってた。
マスターは千夏なのに、何で夏瑠がこんなに気になるのかなって。
……今のお兄ちゃんの話を聞いて、何かスッキリした!
私は、夏瑠も、千夏も……みんな大切!だから私は
みんなの為に歌いたい!」
「リン……。」
「あ……でも、私……。みんなに迷惑かけちゃった……。
お兄ちゃん……ごめんね。」
「いいんだよ、リン。こうしてちゃんと謝ってくれたから。
みんなにも、謝りに行こう?」
「……うん!お兄ちゃん、ありがとう!」
あ、何か話がまとまったみたい。
じゃあ、私は見つかる前にさっさと退散しよう……。
その後、リンちゃんと夏瑠は無事に仲直り出来たみたい。
リンちゃん、良かったね。
「……はぁ~~~……。」
KAITOがテーブルに突っ伏している。
そうだよね……KAITO、今日は大変だったよね。
私はキッチンに向かい、冷凍庫からアイスを取り出した。
「これ、高かったんだよなぁ……。今作ってる曲が完成したら
KAITOにあげようと思ってたんだけど……。」
『僕の一番大切な人はマスターだから』
……ま、いっか!KAITOが喜んでくれれば、それで良いし。
「……KAITO。KAITO!」
「マスター?何ですか……えっ?」
「はい、これ。今日はKAITO頑張ったもんね。
だから、ご褒美だよ。いつものよりちょっと高級なんだよ~?」
「…………。」
「どうしたの?KAITO?」
「あ……いえ、いただきます!マスター!」
大切な人……か。
KAITO、私が一番大切な人が私だって言ってくれて、ありがとう。
KAITO……大好きだよ。
第二話番外編「大切な人」 完
アイ・ストーリー 第二話番外編の続きの続き
第二話番外編「大切な人」、とりあえず完成です。
といっても、最後の方はほとんど本編と同じだ(汗)。
面倒臭がって、ごめんなさい。 orz
第三話はまだ考え中なので、しばらくは
Liedの方に力を注がせて頂きます。
嗚呼、私のダークな部分が段々表立ってきた……。
ギャップありすぎる人間でごめんなさいです。
だって二重人格者ですから!(←開き直るな)
追記:第一話本編・番外編→完成。
第二話本編・番外編→完成。
Lied→一応、完成。
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