「紅葉吹雪」
詞 黒須朔夜
枯れ葉吹雪 降り注ぐ
向かい風頬を切る
この道彼方 貴方へ続く
踏み入れた土覆う
空へ遠く遠く消え入る燕
「我が想ひをかの人へ届けたまへよ」
貴方がくれた白き小刀は
紅葉より紅く染まり
玄冬に移ろう
寒さに耐えられるでしょうか?
またひとひら落つる希望
西へ上り 都遠く
隅田川舟渡り
冷える夜は 天高く
我が身を置き去りにする
夢想繰り返し消え行く穂波
綴る文はかの人へ届きはしないと
貴方が好いた琴の響きは
弦今やと切れそうで
木々と共に枯れる音
雪の重さに耐えられるでしょうか?
またぎりりと軋む鼓動
来やれ来やれ
妖に鬼、狐でも
寂しさ埋められるなら
屍の屋敷まで来やれ
貴方のくれた最後の品物は
紅葉より紅く染まり
鮮烈に想いぞ知る
射抜かれて耐えられはしまい…
もう一筋の涙も落ちない
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