※レンリンです
全く嬉しくないかと言ったら嘘になる。だからと言って全く不満がないと言っても嘘になるのだ。膝より少し短い白いワンピースの下には黒のレギンス(少し残念だが、自分以外の男に見られるかもしれないということを考えればむしろ喜ばしい)顔にはうっすらと化粧がしてあって、マスカラで強調した睫毛の長さだとか、グロスがてかりと光る柔らかそうな唇だとかに、自分とそっくりの顔でもやはり女の子なんだなあと再確認したり。
普段とはまた違う女の子らしい格好に内心ドキドキしているのは認めましょう。しかし残念ながら、この視線の角度だけは認められません。
「レン、どうかした?」
「・・・・・・・別に」
何故女の子は歩きにくいに違いないパンプスなんてものを履くのでしょうか?別にパンプスを履くのは構わない。問題はヒールが付いたものを履くことだ。靴擦れしたとか足首が痛いだとか言うくせに履きたがるとか女子はみんなマゾヒストなのだろうか(メイコ姉あたりに怒られそうだがそう思わずにはいられない)。元々ハイヒールは汚物を踏まないように開発されたもので(お食事中の方いましたら失礼!)お洒落として履くのは間違っていると思う。背を高く見せたくて履いていた奴もいるとか聞いたけどそんなの知るかってんだ。
元々4センチしか違わないのに(彼女にしたら4センチ『も』らしいが、自分にしたら4センチ『しか』だ)彼女の履くパンプスのせいで今や目線の高さは同じ、下手をしたら彼女のほうが高くなってしまっていた。
昔からよくどちらの背が高いか比べては喧嘩を繰り返してきた(周りからはどんぐりの背比べと言われた)(ほっといてくれ!)。未だに繰り返す喧嘩だが、昔はただ一番近しい存在に負けるのが悔しかっただけ。今はそれに『男のプライド』というものがプラスされているのだ。
「レン?」
「何だよ」
「何でそんなに不機嫌なの?」
「別に・・・」
「あ、また!レンったら『別に』って言った!『別に』じゃ分かりませーん!!」
眉間に皺を寄せ、自分にそっくりな顔が間近に迫る。レン君とリンちゃんは以心伝心出来るから羨ましいなあ。いつだかミク姉が言っていた言葉を思い出し目の前の顔と同じように眉を寄せてしまった(以心伝心出来るなら今現在こんなことになっていません)。
「何でもないって」
「何でもなかったら眉間に皺よったりしないでしょ!」
「リンだって皺よってるじゃんか」
「それはレンのせいだもん!レンが素直に答えないから!・・・って、あれ?」
きゃんきゃん喚いていたかと思えば、これまた自分と同じ翠の瞳をまんまるにしてコテンと首を傾げる(一応言っておくけど可愛いとか一切思っていません。ええ、全く)。
「ねえ、レン」
「なんだよ」
「・・・背、縮んだ?」
「ち、縮んでねえよ!!!」
思わず叫べば、吃驚したのか彼女の体が固まる。ムキになった自分が何だか恥ずかしくて、頬をポリポリとかきながら小さな声で呟いた。
「・・・・・・パンプスとか履くからだろ」
「へ?」
「だーかーら!ヒールの分リンの背が高くなってるんだよ!決してオレが縮んだわけじゃないからな!」
結局またもや大声で叫んでしまう自分の子どもっぽさに思わず内心でため息。俯いていると、そっと同じ顔が自分の顔を覗き込んでくる(これもまあ一応ですが、上目遣いが可愛いなんて1ミクロンも思っていませんよ?おk?)。
「もしかして、レンが機嫌悪かったのそのせいなの?」
「・・・だったら?」
何か文句あるのかと開き直り睨めば、くすくすと彼女は笑い出す。
「な、何だよ?」
「レン、可愛いっ」
「はあ!?」
何言ってるんだコイツと思った瞬間、首に回される両手。抱き着かれたと理解した瞬間に鼻を擽る柑橘系の香りと胸に当たる柔らかい感触に鼓動が速くなる。
「ちょっ、リン!」
「えへへっ。身長気にするとかレンかわいい~」
「おまっ、可愛いって言うな!」
「可愛いったら可愛いの!」
そう言って、目の前で彼女はにこりと微笑む(可愛いのはオレじゃなくて)。
「可愛いのはリンだろ」
「!」
瞬間真っ赤になる彼女の顔を見て、自分が無意識に思ったことを口にしていたことに気付く。同じように赤くなる顔を見られないようにと彼女を腕の中に閉じ込めた(ああ、もうこうなったら仕方がないです。認めてあげようじゃありませんか)(なんだかんだ文句はありつつも)(オレは彼女が大好きなんです)。
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-----------...ネバーランドから帰ったウェンディが気づいたこと【歌詞】
じょるじん
A1
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「ありがとねー」
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「長いこと出してなかったから、催し...縁起がいいはずの歌
yjogw
<レン:>
悪事を働いて
ようこそ終点へ
魂の浄化に
何をしてあげよう
ワクワク
厳しめの懲罰
(フフフフフ)
<リン:>
(ちょっと待ったー!)...幽地終点
ヤナギ ヤスネ
運命に逆らえなくてもー
革命を変えてみせる
たとえ たとえ たとえ たとえ
挫けても頑張るよー
涙が- 溢れて
僕は走り出したよ
君が追いかけて
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星の流れを逆らえずに
現実逃避をしてしまう日...未完成革命 ft 初音ミク 鏡音リン・レン 巡音ルカ MEIKO KAITO
しのえ
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ご意見・ご感想
いかり
ご意見・ご感想
わわわ!私になんかに恐れ多い言葉の数々ありがとうございます!
タイトルつけるのが苦手なのでそう言っていただけると嬉しいです^^
乾燥ありがとうございました!!
2009/11/10 18:29:05
ゆっきー
ご意見・ご感想
‥‥‥うわあ(*^_^*)
うわあ。このリンレン滅茶苦茶可愛いです(>_<)レンの()内の独り言とか面白いうえに可愛い。
もう最後のシーンとかリンレン両方とも可愛い。やばい。萌えた!
秀逸なタイトルに惹かれて読んでみれば‥‥‥なんという神作(^_^)
堪能させていただきました(^^)v
ありがとうございました。
2009/10/30 17:13:14