6月ハーモニー 双子蜜柑 そのなな



声がした方に私とレンが振り返ると

「あれ?メグミじゃん?」

「あっ、メグミ~」

そこにはTシャツにジーンズといったラフな格好のメグミがいた

「え?…え?…ちょ、ちょっと待ってねレン君」

メグミは焦った顔をして私達に背中を向け、鞄から携帯を出して

プルル~、プルル~

いきなりメグミは誰に電話してるんだ?

と思ったら

プルル~、プルル~

私の携帯が鳴ったので

ん?誰?……は?メグミ?

携帯の画面にはメグミの番号が表示されていた

なにやってんだメグミ?なんで目の前にいるのに電話かけるんだ?

疑問に思ったが一応出ると

「『もしもし?リン!?大変だよ!レン君が知らない子と手を繋いでる!』」

電話と目の前から同じ声が微妙にズレて聞こえてきた

ちなみにメグミは小声で言ってるつもりだろうけど、普通に聞こえてくる

は?なにやってんだメグミ?馬鹿じゃないの?

メグミの行動が意味不明過ぎて返事できなかった。

だからレンもポカンとしている

「『聞いてるリン!?ショックだろうけど本当なの!私いまメゾールにいて、

そこで偶然レン君に会っちゃったの!そしたらレン君が知らない子と

手を繋いでるとこ見ちゃったの!!どーしようリン!?しかもその子、

ちょっと…ううん、かなりリンに似てるの!ど、どーすんのリン!?私は

どーしたらいい!?写、写メ撮ったほうがいいかな!?ねぇ聞いてるリン!?

もしかしてショックで聞こえてない!?もしもし!?』」

はっ!!

メグミの慌てている、微妙にズレている声でやっと分かった

コイツ!リボンを取っただけで私の事が分かってないのか!?

うっわ~スッゲー馬鹿を見ちゃった!しかもどーしよう?とか聞いてきて

それこそどーすんの?だよ!!

それは自分がレンを好きって言ってるようなもんだよ!?どーすんの!?

と、とりあえずこのお馬鹿な子を止めるか!

でもどーやって止めるか?直接メグミに言いに行っても私の事を知らない子って

思ってるから無駄か?…そうか!電話なら私が出てるって分かってるから…

「いや、アンタの言う知らない子が私なんだけど…」

「『嘘っ!?』」

メグミは高速で振り返った

「メグミ~」

私が驚きの表情のメグミに手を振ると、メグミの顔は次第に赤くなっていった

そりゃ恥ずかしいわな…

メグミは「…………」

私も「…………」

レンは「え?今のこの状況はなんなの?」

メグミは電話を切って、愛しのレン君と私を交互に見て

「リン…ちょっと来て…」

真っ赤な顔で私を呼んだ

「何ですか?馬鹿っぽい人、略して馬鹿っぽいどさん?」

「馬鹿っぽいどって言わないでよ!!」

だってアンタ完璧にお馬鹿な人の行動してたよ?

私がメグミに近づくと、メグミは私と一緒にまたレンに背中を向けて小声で

「な、なんでリボン外してるの?そのせいで勘違いしちゃったじゃん!!」

「勘違いって…つーか顔見て分からなかったの?」

メグミに合わせて私も小声で返す

「そ、そりゃリンに似てる子だなって思ったけど、で、でもリボンが無いから

アンタだって分かんなかったのよ!しょーがないでしょ!!」

しょーがないか?

「あっ、そう…」

「で?な、なんでリボン外してるのよ?」

私は手首に巻かれてるリボンを見せて

「う~ん説明するのが難しいな…まぁレンとの話の流れでリボンを外すことに

なって、そのリボンが今ここに来ているってことね…」

「難しいって言ってもハショリ過ぎじゃない?まぁ分かったのはリボンの

現在位置だけね…よく分からないけど分かったわ」

メグミはそう言うとレンの方に振り返ったので、私も振り返ると

「そんでメグミのさっきの行動はなんなの?俺には全く分からないんだけど」

レンが私達に聞いてきた

「え、え~っとね…」

メグミがまた顔を赤くして私を目だけで見てくる

おそらく、助けてリン!と言っているのだろう

う~んどうするか?助けるって言ってもどうやって助ければいいんだ?

「え~っとねレン…さっきのメグミの行動はね………そう!ボケたのよ!

ボケて私達を笑わそうとしたのよ!」

かなり無理がある助け舟を出したか?

メグミは目で、なんつー助け舟出してんのリン!?と言ってるっぽい

「あ、そうだったんだ…あ、じゃあツッコんだほうが良い?」

メグミと同様、コイツもかなり馬鹿だ…

素で言ってるレンの頭の悪さを少し心配しながら

「今からじゃ流石に遅いわねレン…そうゆうのはメグミが電話をしてすぐに、

目の前にいるのに何で電話してんだよ!?って言わなきゃ駄目よ!」

「そうか…ゴメンな?メグミ、せっかくのボケをスルーしちまって…

今度からはすぐにツッコむからな?気を付けとくからな?」

マジに謝るなよレン…流石にメグミが可哀想だよ…

「ううん!気にしなくていいよレン君!わ、私も急に、ボ、ボケてゴメンね!?

こ、今度からはもっとツッコミやすくボケるからね!」

メグミは顔を赤くして手を振り、なおかつ私が吐いた嘘を通した

おぉ…好きな人にだと、その相手に言われたことを強く否定せず、そのまま

通すのな…う~んメグミは結構マジにレンが好きなんだな…

謝るレン。そのレンに悪くもないのに謝るメグミを冷静に分析する私。

そんな私達を交互に見たメグミが

「そ、それで2人はこれからど、どこ行くの?よ、良かったら私も一緒に

行っていい?も、もし邪魔じゃなければなんだけど…」

最後のほうはレンじゃなくて私に対して言ってきた

あぁ…そうゆうことね……まぁチャンスといえばチャンスだもんね…

メグミの意図をすぐに察することができたので

「まぁいいよ。ね?レン」

「うん。いいよ~今からリンの服を見に行くからさ、メグミも一緒に

選べばいいんじゃん?」

レンの言葉にメグミは途端に嬉しそうな顔になり

「本当っ!?あ、ありがとう!」

嬉しそうにしちゃってまぁ…

こうして私とレンは、メグミを加えてメゾールを回ることになった。

「んじゃ、どのお店から見るのリン?」

レンが歩き出して私に聞いてきて

「きょ、今日はどんな服見るのリン?」

そのレンの横に並んだメグミがレンをチラチラ見ながら歩き出した

その2人を私は見ながら

う~ん私はどこに立てばいいんだ?

レンの横に行って私とメグミでレンを挟む形になればいいのかな?

それともメグミの横に行って私とレンでメグミを挟む形になればいいのかな?

う~んここはメグミを挟む形になるかな…

そう思い私はメグミの横に行き、レンとでメグミを挟んだ

こうすれば、まぁメグミもレンと話しやすいだろう…

う~ん私って友達思いだな~なんだったら服見るのも別にいいかな?

「まぁお店は適当に見て回るって感じかな…」

私は横のメグミとその隣にいるレンに向けて言った

すると私たち鏡音に挟まれたメグミが

「ふ、2人は休みの日はいつもどんな風に過ごすの?こうやって

いつもメゾールに来てたりするの?」

レンと肩を並べて歩いてるせいか、メグミは少し緊張してるみたいだ

まぁ学校と違って私服だし、一緒にお店を見て回るなんてことは、きっと

夢にしか思ってなかったことなんだろうなぁ…

メグミに話しかけられたレンが

「う~ん、いつもってわけじゃないかな?俺はだいたい友達とバスケしてるし、

リンは…家でゴロゴロしてるかな?うん…」

まぁ事実だし、否定はしないよ…

「そ、そうなんだ…ふ~ん…レン君は本当にバスケ好きなんだね~」

おぉ~私だったらバスケ馬鹿って言ってるのに…

好きな相手の事は前向き?に捉えることができるんだな~

「よく小っちゃいのに平気なの?ってからかわれるんだけどね~リンに!」

「さりげなく嫌味を言ってきやがって…このチビが!」

レンの嫌味に私も黙ってはいられない

「で、でもレン君ってかなり上手いでしょ?だから身長なんて関係ないよ~

身長が低くくたって活躍できるってことは凄いことなんだよ!」

おぉ!レンが身長の低さを気にしてることが分かってるから、メグミ庇ってる!

すっげ~これが恋の力なのか?

「本当っ!?まぁね~小3からやってるからね~へへへ…」

得意げな顔してなに喜んでるんだ!?

「そうなんだ…小3の頃からやってるんだ。

ねぇ、バスケ始めたきっかけみたいなのってあるの?ど、どうして始めたの?」

「え~っとね、ウチの親父がね、父子の会話には普通はキャッチボールだが、

残念ながらウチには野球の球が無いからキャッチボールはできない!!

でもバスケットボールはあるから一緒にバスケするか!!って言ったのが

きっかけだね…それで近くの公園にバスケットのゴールがあるから、そこで

よくバスケしてたよ…それからだね」

「ふ~んお父さんに教わったんだ…なんかそうゆうのって父と息子っぽいね。

男親ならではだね…」

ちなみにお父さんは私のことも誘ったけど、一緒にバスケして、そこで

初めて私が運動音痴って知ってそれからは私のことはバスケに誘わなく

なったのだ。私が、できない~!って言ってめっちゃ泣いたせいで

お父さんはかなり困ったのだ。

「そうなの?ふ~ん…まぁ確かに母さんとはそうゆうことしたこと無いね」

「お母さんとバスケやキャッチボールで会話する母娘は普通いないと思うよ?

私もお母さんとそんなことしたこと無いよ?」

そりゃそうだ…母と娘がキャッチボールしながら、アンタ学校はどう?

ん~まぁまぁかな?って言ってるのは変だと私も思うよ?

私はメグミがレンと会話したがってると思い、いい感じのお店を見つけても

入ろうとせず、ただ歩いてる

するとメグミが私に

「なんか見たい服あった?リンさっきからお店見てないんじゃない?」

「ん~特にはいい感じのお店無いから大丈夫だよ~」

服を見るのもいいけど、恋してる女の子の反応を見るのも面白いし…

服はまた今度にでも見に来ればいいからね~

「そうなの?まぁお店に入りたいときは言ってね…」

私がうんとメグミに言うと、レンがメグミの格好を見てて

「てゆーかメグミって普段そんな格好してるんだ…俺達って中学の時から

一緒だけど、私服って見たこと無いなぁ~俺メグミと遊んだこと無いし…

なんか普通の格好してるのね、メグミ…制服のイメージしか無いから変な感じ」

そうレンが言うとメグミは慌てて

「きょ、今日はたまたまこうゆう格好してるだけだから、勘違いしないでね!?

い、いつもはこう…ちょっとフワッとしてるやつ着てるよ!?」

なんか弁明?し始めた…

そんなに慌てて弁明することなのか?

いや、う~ん好きな相手には可愛い自分を見せたいと思うのが、女子の

一般的な思考だから…いいのかな?

メグミの言動を分析してるとメグミが

「あっ!この服とかリンに合うんじゃない!?ほら!入ってみようよ!」

「な、何よメグミ!?」





急にメグミが私の手を引っ張って、お店に入って行った

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

6月ハーモニー 双子蜜柑 その7

6月ハーモニー 双子蜜柑 その7

メグミの私服が思い浮かばん…

閲覧数:60

投稿日:2012/08/29 23:10:10

文字数:4,649文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました