「くらえ美紅ー!!」
ぼすっ、と鈍い音がした。
「え、ちょ、やめてくださいぃぃぃ!!」
「あはは!くらえ美紅ー!!」
「やーん!芽衣子様まで!!」
「ここはどこの寺子屋だー!!」
枕投げをしている三人、凛、美紅、芽衣子は、すぐ寝ると言っておきながら全然寝る気配がない。
「海斗、寺子屋に枕はないじょ?」
「んなこと知ってるっつうの!!」
「私はお布団を敷きたいだけなのにぃ~・・・」
美紅は涙声で言った。
「こんなに大人数で話すなんて久しぶりじゃ・・・」
凛は小さな声で呟いた。
「あら、家臣とかと話さないの?」
芽衣子が枕を置いて訪ねた。
「わしは皆から避けられてるんじゃ・・・おかげで城は冷めきってるし・・・なんてったってわしは―」
「姫様は、なぜあそこに倒られておったのですか?」
凛の言葉を美紅がさえぎった。
「そうよね~なんでお姫様があんなにぼろぼろになるまで歩いてきたの?」
「あぁ、それはな」
凛がここに来た理由を話し始めた。
「わしには、弟がいたんじゃ。産まれたばかりに離れたから、記憶にないんじゃがな。その弟はとうの昔に死んだと言われたんじゃが、風の噂で金髪の14の男が女遊びをしていると聞いてな。わしに・・・心中姫に似た男が―」
そういうことだったのか・・・・
「その男・・・お前の弟は、ここ辺りにいるのか?」
「噂では、ここ辺りにいると聞いた・・・」
14の金髪の男・・・か。
そんな男、聞いたことがないな・・・
「海斗、お前、何か知らないか?」
「あぁ・・・知らない」
「そうか・・・」
凛は、下を向いて悲しそうな顔をした。
「あたしも今度、その男探してみるわね」
「私もできる限りの事をさせていただきます」
美紅と芽衣子は凛を励ますように言った。
「俺もそうするよ」
「ありがとう・・・」
凛は顔を上げて、少し口角を上げた。
「みなさん、今日はお疲れでしょう。早めに寝ましょ?」
美紅は空気を濁すように言った。
「そうね。凛は明日、楽歩が朝早くに迎えに来るんでしょ?」
「そうじゃな」
「じゃあ、おやすみ」
そう言って、俺は三人を後にした。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

心中姫 6

閲覧数:282

投稿日:2010/02/03 21:44:31

文字数:885文字

カテゴリ:小説

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  • 籠李

    籠李

    ご意見・ご感想

    どうもこんにちわww和零です^^
    心中姫…面白いですね!実は陰ながら応援してたのですが…
    イメイラ的なもの描きたくなります><;(できる事なら描きたいでs((殴

    2010/02/07 16:42:16

    • どーぱみんチキン

      どーぱみんチキン

      お久しぶりです!
      こんにちは、ふみゅれす(´▽`*)
      応援してくださってありがとうございます!嬉しすぎてしにます>(´▽`*)
      イメイラおKですお!私もできることならかいてほし(ry

      2010/02/07 16:48:39

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