気持ちを使わない言葉のパズル
無限大の組み合わせ椅子取りゲーム
まるでほらあたかも支配者のように
そんな私のこと言葉は見つめている

最初はきっと笑顔だったかも知れない
当てはめて出来る世界が華やいで
スキップでリズム合わせるように
手を取り合って作り上げていた

今じゃもうベルトコンベア作業だ
迫り来る時間通り部品組み立てて
綺麗にそろいましたハイ完成ですって
言葉の色を見ないふりでうつむいたまま

いつしか言葉は私から逃げ出した
手を伸ばせばたちどころに消えていく
待って逃げないでお願いだからって
そんな声すらも私には残っていない


感情を伴わない文字の積み木
無尽蔵のパターン化虫食いゲーム
それはほらさながら保護者のように
こんな私のこと文字は眺めている

初めはもっと楽しかった気がする
割り振った不思議な世界が輝いて
手拍子で鼓動沿わせるように
ハイタッチで音を紡ぎ上げていた

気が付けばナットやボルト扱いだ
のしかかる締切通り部品くっつけて
基準に合格してるもう出荷ですって
文字の声に耳塞いで視線逸らせたまま

いきなり文字は私から行方不明だ
目を向ければ一瞬で姿くらます
なんで見えないよどこに行ったのって
そんな文字すらも私には見当たらない


泣き声もわめき声もなくなった
うずくまって落ち込む影も消える
足跡がなくなって足元が消えていく
指先が透けて虹彩が光を透過して

「ごめんね」と「大好きだよ」だけ置いて
静かに存在が世界から潰えていった

幻聴みたいな微かなざわめきたち
「ほんとうに?」って何度も何度も
返事する気持ちも資格も無いのに
今だってみんなを抱きしめたいって

存在しないはずのまぶたが開いて
ありえない数の言葉に囲まれて
数え切れない文字に見つめられて
流れないはずの涙が止まらなくなる

「しょうがないなぁ」って呆れて
「今回だけだよ」って苦笑いで
さっき置いた言葉が私を見つめる
夢みたいな二つだけのプレゼント


みんなに私はどう映ってるかな
まだ少しわがままに見えてたら
少しは反省するから言ってよね
またきらめく世界で遊ぼうよ

私を選んでくれてありがとうって
何度だって伝えたいんだから

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

言葉に欲してもらいたかった

閲覧数:224

投稿日:2021/07/25 16:13:20

文字数:927文字

カテゴリ:歌詞

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