私、初音ミク。今日8月31日は私の誕生日なんだ。
私が生まれて4年も経つんだ…時の流れって早いね。
みんなちゃんと私のお祝いしてくれるよね?この前のカイト兄の誕生日だってそうだったし!
私はるんるん気分で階段を下りる。そしてリビングのドアを開ける。
「みんな、おはよー!」
既にみんなはリビングで朝食を取っていた。
「お、おはよう!ミク姉!」
トーストを口に含みながらしゃべるレン君。
「あ、あら、ミク。朝食、出来てるわよ」
なぜかぎこちない笑顔で言うルカ姉。
「お、俺そろそろ収録にいかないと」
急いで立ち上がるカイト兄。
「ささっミク、早く食べましょ?」
イスをひいてくれるメイコ姉。
「私、もうお腹いっぱい!ごちそうさま!」
カイト兄に続き急いで立ち上がるリンちゃん。
「ま、待って!リン!」
それに続いて立ち上がったレン君。
あれ?みんなどうしたんだろ?こんなに急いで。
「ねぇ、みんな。今日の予定は?」
少し期待しながら聞いてみる。
「あ、そのことなんだけどね…」
ルカ姉が少し悲しい表情をする。
「それが今日は…みんな仕事なのよ」
メイコ姉が言う。
「えっ…?私は休みだよ…?」
そんなのウソだよね?だって今日は私の…
「ミクは休みだわ。でも、他のみんなはあいにく仕事なのよ」
そんな…誰も、祝ってくれないの…?
ダッ
「み、ミク!待ちなさい!」
ひどい…みんなひどいよ…今日が私の誕生日だってみんな知ってるのに…!
みんなに祝って欲しかった…!!
バタンッ
「…ミク」
「大丈夫よ。きっと戻ってくるから」
「メイコさん…」
「戻ってくる前に、さっさと準備しましょ?」
「…えぇ!」
「みんなひどいよぉ…ぐすん」
私だけ祝ってくれないなんて…みんな私のこと嫌いなの…?
街中で当てもなくふらついている。ふとショーウィンドウに目をやると、とても可愛い服が目に入った。
「今年はプレゼント、ないんだ…」
そう思ったら急に悲しくなってきた。うぅ…
勢いで飛び出してきたけど、いまさら戻りずらいし…
このままグミちゃんの家にでもいこうかなぁ…
いろんなことを考えてたその時、
「ミク姉ー!!」
聞いたことのある2つの元気な声が聞こえた。
「リンちゃん…?レン君…?」
振り返るとそこにはいつもの笑顔のリンちゃんとレン君がいた。
「ミク姉、来て!」
「え、ちょっと、待って!」
ふたりに両手を引っ張られて戸惑いながら一緒に走る。
しばらく走ると家の前に着いた。
「いくよ、せーの…」
リンちゃんとレン君が静かにドアを開け―――
「ミク、お誕生日おめでとう!!!」
パァン
クラッカーが鳴り、私は紙吹雪まみれになった。
「…??」
急に起こった出来事なので何が起きたのか解らなかった。
「…なに、これ…?」
いまだに状況が理解できないない私にリンちゃんは言った。
「今日はミク姉の誕生日でしょー?だからね、パーティーするの!」
「リンの言うとおり!ささ、早く家に上がって!」
ぶわっ
「わわっミク姉どうしたの!?」
「だ、だってみんな仕事だって、誰も祝ってくれないのかと…」
泣きじゃくる私にメイコ姉が抱きしめてくれて、
「こんなに可愛い妹の誕生日なんて忘れるわけがないでしょ。ごめんね。変な嘘ついて」
「ううん…ありがとう。みんな、ありがとう!!」
今年の誕生日は今までよりもずっと“家族”の温かさを知った日でした。
fin
コメント0
関連動画0
オススメ作品
静まるヨルの街並みに
動き始めるワタシ達
デンゲンを開くとそこに
新しいセカイが開く
夜明けのマチで目を覚ます
指先で広がるミライ
見えないデンパ駆け巡る
繋がるセカイが呼んでる
どこでも感じるコドウが
データの波ココロ揺らす...デジタルの彼方には
ちゃま☆-ちゃまたく☆-
命に嫌われている
「死にたいなんて言うなよ。
諦めないで生きろよ。」
そんな歌が正しいなんて馬鹿げてるよな。
実際自分は死んでもよくて周りが死んだら悲しくて
「それが嫌だから」っていうエゴなんです。
他人が生きてもどうでもよくて
誰かを嫌うこともファッションで
それでも「平和に生きよう」
なんて素敵...命に嫌われている。
kurogaki
ミ「ふわぁぁ(あくび)。グミちゃ〜ん、おはよぉ……。あれ?グミちゃん?おーいグミちゃん?どこ行ったん……ん?置き手紙?と家の鍵?」
ミクちゃんへ
用事があるから先にミクちゃんの家に行ってます。朝ごはんもこっちで用意してるから、起きたらこっちにきてね。
GUMIより
ミ「用事?ってなんだろ。起こしてく...記憶の歌姫のページ(16歳×16th当日)
漆黒の王子
8月15日の午後12時半くらいのこと
天気が良い
病気になりそうなほど眩しい日差しの中
することも無いから君と駄弁っていた
「でもまぁ夏は嫌いかな」猫を撫でながら
君はふてぶてしくつぶやいた
あぁ、逃げ出した猫の後を追いかけて
飛び込んでしまったのは赤に変わった信号機
バッと通ったトラックが君を轢き...カゲロウデイズ 歌詞
じん
砂浜に描いた 夢みる未来
白い波に消され
「何を書いたの?」と そっと抱きつき
笑顔のぞかせながら
戸惑いと期待が交差して
打ち明けないほうがいい?
それとも勇気だして、、、
夕陽の砂浜には 二人だけの足跡
並んで歩んだ想い
このまま時が止まればいいのにと思うけど...二人の足跡
いけだたかゆき
エンジェル 僕を愛してよ
もう変えられない 過去のイフは
あと何回夜を数えたら
忘れられるのかな
なんて(笑)
もうちょっとだけ
隣にいて欲しいの
関係ない事
未だに思い出すの
何で?...Angel 歌詞
あふぬん
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想