あふれだした朝　幻に瞼をこすりながら
「きっと今日は雨」「ねぇ、どう思う？」
未だかつてない患いだ！　うまれ落ちちゃったのは
ずっとこのまま世界は続くみたい、でも命はひとつだけ

棚のうえに瓶を並べて　傾く陽に伸びた影法師

「きっとすぐに良くなるよ。きみは」
長すぎた夜の果てで
羊たちも寝静まる今日は、錠剤をかぞえながら

きれた白熱灯　熱源のない部屋を散らかした
「きっともうダメさ」「ねぇ、どう思う？」
未だかつてない患いだ！　言葉を交わしたのは
ずっとこのまま世界は続くみたい、でも命はいちどだけ
たったいちどだけ
たったいちどだけ
たったいちどだけ
たったいちどだけ
いちどだけ
いちどだけ
いちどだけ
いちどだ

いつか聴いた不確かな声が、あなたが語りかけた
大人たちの見放した街に　花が咲いた

「きっとすぐに良くなるよ。きみは」
長すぎた世の果てで
やがて触れるさよならも、白く輝いていますように。