「おやすみなさい、お母さん」
ドアを閉めると二人の世界。
今宵も心の端に点った日はみるみると燃え広がった。
「リン」
振り返った私を貴方はぎゅっと抱きしめる。
音がしそうなほど、痛いほど抱きしめる。
それだけでも十分なのにまだ求めてしまう。
「レン、キス、して」
貴方は少し体を離して優しく笑うと、私の唇とあなたの唇を重ねる。
甘い、甘い時間。
「好き」
唇を離した貴方は、独り言のように呟く。
私も
そう言う隙も与えず、貴方はもう一度唇を重ねる。
幸せ。
なのに充たされない私の心。
それは
結ばれることはないって
分かっているから。
息が苦しくなってきて、私は貴方の体を離そうとする。
だけどやっぱり男の子な貴方の体は私の力では離れない。
目から涙が零れる。
やっと離れた貴方の唇。
数センチしか離れていない私と貴方の唇から漏れる荒い吐息が交わる。
貴方は私の頬を伝う雫にキスをする。
そしてもう一度唇に戻ってくる。
「んっ…」
まだ酸素が足りない私は、膝から崩れ落ちる。
私の頭を支えた貴方はそのまま一緒に座りこむ。
意識が朦朧としてくる。
「ごめん」
唇を離して、貴方は言う。
私は首を振る。
「好き、私も」
さっき言えなかった言葉。
それを聞くと貴方は私を抱きしめた。
足りない。満たない。
もっと…もっと…貴方と愛し合いたい。
「おかしい」のがたまらなく好きになる。
許されない事ならば、尚更燃え上がるの。
「…我慢、しなくていいよ…」
私は貴方に言う。
貴方の腕の力が強くなる。
「…ほんとに?」
「…うん」
「…後悔、しないでね?」
「…うん」
そう言うと貴方は私をふわりと抱きあげ、ベッドにおろす。
貴方を下から見上げると、貴方は
「可愛い」
と呟き、3度目のキス。
今度は貴方が舌を絡める。
息を止めるのも忘れ、私は甘い快楽へと堕ちて行った。
―朝日が窓から射す。
私の頭の下にはずっと貴方の腕。
時計の秒針だけが響く。
「眠れなかった?」
貴方が口を開く。
「うん」
私は貴方の腕に頭を埋める。
「俺も」
そう言って貴方は私の頭に手を置く。
不安。
夜明けの朝日は私の不安を照らしだす。
理由の分からぬ、不安。
「レン」
さらに深く、頭を埋める。
貴方の袖が涙で濡れてゆく。
「リン…」
貴方は私を抱きしめ
「大丈夫」
と囁いた。
微かに震える貴方の胸。
貴方も泣いているの?
私は貴方の頬を伝う涙にキスをした。
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※幼馴染設定
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――例えばこんな幼馴染。1
幼馴染ってのはなかなか厄介な関係だと、今更気付いた。
「――リン?どーしたんだよ、いつにも増してぶっさいくな顔して」
「うっさい」
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錫果
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