「君に託す夢」
体から出血が止まらなくなる未知の病気。
現代ではその治療法が確立されていなく、最低でも3年間はかかるという。
しかし、病気の発症から半年足らずで、患者は死に至る。
そこで政府は冷凍カプセルで病気の患者を仮死状態にし、病気の進行を止めて、治療法が確立されたときに起すことを提案。
未知の病に侵された彼女を救うために、冷凍カプセルに入るように彼女を説得する。
けれど、彼女は離れ離れになるのを嫌がり、例え短い期間でも一緒にいられることを望む。
本当は彼女と一緒にいたい彼は心を押し殺して、彼女が生きてくれることを望む。
彼女は彼の思いを受け入れて、冷凍カプセルへと入る。
しかし、彼女は知らなかった。彼もまた病に侵された存在であることを。
そして、冷凍カプセルは彼女が入ったものが最後の一つであることを。
彼は冷凍カプセルの傍で歌い続ける。
彼女への思いを。
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