「ごめんっ!皆っ!私今日から出張で1ヶ月帰ってこれないの。パソコンも持ってけないし・・・。だから皆の事は私の友達に任せたから!・・・だーいじょうぶ!その友達、結構パソコン強いんだから!・・・色々とね?(クスッ)
・・・ん?何でもないよ?あー、でも分からない事多いと思うから皆でフォローお願いね。あ、時間だ!私もう行かなきゃ!それじゃ、行ってきまーす!」


そう言って蒼が家を飛び出してから数時間、その人は現れた。

「はじめまして。えーと、分からない事が多いので色々教えてくれると嬉しいなー・・・なんて思ってます。これから1ヶ月よろしくね」









完璧な、『初音ミク』の姿で。






「・・・・・・」



一同、どう反応を返していいのか分からない。あの何時もだったら質問攻めにするであろうリンですら押し黙っている。

目の前にいるのは完璧な『初音ミク』だ。けれど、どこかが違う。声ではない。声も完璧な『初音ミク』のあの声が流暢に喋っている。姿でももちろん、無い。姿は愚か、髪の長さ、服装、全てに置いて『初音ミク』そっくりなのだ。けれど、何かが違う。どこかが、決定的に違っている。

「・・・あの、貴女は・・・?」


やはり、と言うか当然、とでも言うべきか、開口一番にこの『初音ミク』に話しかけたのはメイコだった。
「あれ?蒼から聞いてません?今日から貴方達の『仮』マスターになる者です」
「いや、それは分かってます。それが貴女、て事も。パソコンの中に入ってこれてる、て事は蒼にこれを教えたのは貴女、て事になるでしょうしね」
「はい、そうです。今の所これを教えてるのはあたしを除いたら蒼だけになりますからね」
クスリ、と柔らかく微笑んで『初音ミク』は言った。
「・・・で、貴女、誰です?」
再度同じ質問をすると、『初音ミク』は
「え、いやだからあたしは蒼に頼まれて貴方達の『仮』マス・・・」
「いやいやいやいや、そう言う事じゃなくて!名前!名前は何て言うんですか、て話よ!ミクの格好してるから紛らわしくて敵わないわ!その姿、何とかなりません!?」
と。一息に喋ったメイコはゼハー、ゼハー、と息を荒くした。
「あ、そういう事か。なーんだ、吃驚したー」
『初音ミク』は行き成り『ミク』の声ではなく、恐らく地声なのだろう、少し高いソプラノの声で喋り始めた。
「道理で皆フリーズしてた訳だー、あっははー、成程ねー」
さて、と息をついて、『初音ミク』は後ろに手を回すと パ、と何処からとも無く一枚の白い布を取り出した。
一体何をするのか、と皆が固唾を呑んで見ているのを気にしてか否か、『初音ミク』はその布を バッと自分が隠れるように目の前で広げて見せた。
「これが、あたしの『本当の姿』、だよ」
少し高いソプラノの声がして、皆が『初音ミク』の方を見ると・・・







「始めまして。改めて、だけどね。あたしの名前は紫音。21歳。得意な事は 変装と声帯模写。蒼よりは劣るけど、一応合唱部に入ってたから歌は歌える。これから1ヶ月よろしくね」









そう言って、『初音ミク』――いや、紫音は皆に笑いかけた。こげ茶の髪はウェーブがかり、腰辺りまで伸びている。栗色の瞳はくるりとしていて可愛らしかった。
「あ・・・もしかして・・・さっきミク姉の姿してる時何か変だと思ったのは・・・目の色・・・?」
レンが言うと紫音は小さく笑って「せーかい」と言った。
「確かにその人の姿にはなれるけど目の色まではね・・・。カラコンは目ぇ痛めるし」
へへ、と笑うと紫音は フ、と息を付いた。
「それじゃ、早速だけど始めよっか。蒼から楽譜も預かってるし。まずは・・・リンちゃんとレン君!デュオだって。あたし、あんま分かんないから教えてくれると嬉しいなー・・・」
「うん分かった!紫音ちゃん、任せて!じゃ、いこレン!」
「あぁ。よろしくお願いします。紫音さん」


















それから、1ヵ月後、



「えーと、今日はちょっと歌の方はもう終わったので、ちょっとしたドッキリ仕掛けまーす!」
「いや、もう言ってる時点でドッキリじゃなくなってるから!」



さて、と改まった様に紫音は コホン、と咳をする。
「それじゃ、ちょっとやってみるからあたしはここで一旦席を外しまーす」
ニッコリと笑って見せて紫音はフワリとワンピースの裾を翻し、駆けて行ってしまった。
「・・・何をなさるおつもりなのでしょう、紫音さん・・・」
首を傾げ、ルカがメイコに聞いた。「どうでしょうね」と溜息混じりにメイコは応える。
「紫音、もう存在自体がドッキリだからね・・・。何が起こっても私驚きゃしないわよ」
「うわ、随分余裕だね、めーちゃん」
「・・・まぁ、ね」
「・・・あれ?何だろう・・・この感じ・・・」
「ミク姉・・・?ん、何だ、これ・・・」
「ミク?レン?」
声をかけながら、メイコとカイトも気付く。リンやルカも不思議そうな顔をしながら皆の方を見る。
この感覚。足元から身体が砂の様にサラサラと消えていく、この感覚。
「・・・アンイン・・・ストール・・・?・・・」
震える様な小さな声でメイコが呟く。
「えぇ!?私やだぁ!もっと歌いたいよぉ!」
微かな声を逃さず捉えたリンはボロボロと涙を零した。そうしている間にもサラサラと消えていく感覚は消えない。いや、むしろ早くなっている様だ。
「リン・・・泣くなよ。まだ消えるって分かった訳じゃないだろ・・・」
「だって・・・、だって・・・!」
「・・・でも・・・そうかも知れませんね・・・」
ふとルカが口を開く。
「紫音さんのドッキリがアンインストール、とは限りませんよね。これってただ単にそう感じるだけで、もっと別の何か、なのかも知れませんね」
「ルカさん・・・それ・・・どういう事・・・?」
「多分・・・それは・・・」
ルカが応える前に、視界が一瞬、ブラックアウトした。







「おぉ!成功した!すげぇ!」




「・・・うわぁ・・・」

蒼の声がして、皆は ス、と目を開いた。いきている。アンインストール、されてない。
・・・蒼の声・・・?
「蒼・・・?」
メイコは部屋の入り口でボー然としている蒼に声をかけた。
そう言えば、何で蒼は此処にいるのだろう。今帰ってきたばかりでパソコンはいじっていない筈なのに・・・。・・・?
と、言う事は・・・?
「ここって・・・?」
「あ、蒼お帰りー。見て見て!成功したよ!

              皆をパソコンから出して実体化させる事!」
「実体化ぁ!?」
「うん、そう」
驚きから立ち直り、荷物等を置きながら片付けながら蒼は言った。
「私がパソコンの中に入れるなら今度は皆をこっちに連れて来たくなってね。しーちゃんがいなかったらこんな事も出来ないし・・・。ありがとね、しーちゃん」
「はは・・・脅されたなんて口が裂けても言えないけどね・・・」
「何か言った?」
「何でもないです何でもないです首絞めないで死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ~!」
「・・・・・・・・・・・・」





まぁ、とりあえず、

「これからもよろしくね!皆!」


「もちろん」  




ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ドッキリ大作戦?

長いです。そして蒼が黒い。こういう性格の子です、蒼は。
そして新キャラ出ました。紫音。
変装と声帯模写が得意。身長も相手の身長に合わせて変わる。某ロボット漫画に出てくる頭だけ人間の人ではない。・・・元ネタ分かる人、いるかな・・・
・・・あ、得意な事が某小説に出てくる『人類最強』と一緒だ。
・・・ま、まぁそこは流します(←
とりあえずドッキリです。
こんなつまらないもの書いてすいません…
駄文ですが付き合って下さり有難う御座いました!

閲覧数:418

投稿日:2010/04/07 11:34:17

文字数:2,981文字

カテゴリ:小説

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  • かりん

    かりん

    ご意見・ご感想

    はじめまして!!
    かりんと申します。
    人類最強という言葉に反応してコメント書いてしまいました・・・
    今、丁度読んでいるんですよ!かっこいいですよね!!
    なんかわたし赤い人が好きみたいです・・・
    某ロボット漫画のほうは残念ながらわかりません。

    実体化かぁ。いいな~、そしたらボカロとも話が出来る。

    全然つまんなくないですよ!つづきも読ませていただきますね!

    2010/07/21 11:50:07

    • lunar

      lunar

      始めまして、かりんさん。メッセージ、有難う御座います。
      そうですか、反応して頂けましたか。
      分かりましたか!? 戯言シリーズ!(←
      潤さんはもう最強ですよね! 人工呼吸して相手の肋骨バキバキ折っちゃったけど!(←
      そうですか、確かにめーちゃんも赤い人・・・。
      某ロボットはかの有名な鉄腕ア○ムです(ヲイ

      実体化、誰か出来る様にしてくれませんかね・・・? こんな風に話してみたいものです。

      有難う御座います! 続きも是非読んで下さい! 

      2010/07/21 19:29:11

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