斑雪がきらめく畦道に
君の手を取り駆け出した
春の宵のこと
朧月にも透けそうな黒い髪は靡く
桜が舞い散る頃に 好きを隠した
夏野の裾 汗ばむ肌 清水滴る半夏生
七夕にも書けなかった 好きを飲み込む
水鏡に浮かぶ月を求めるように
袖を涙で濡らすように
恋焦がれてしまった__
浅緋に染まる頬 桜並木に浮かぶ影
往く惜しむは春か君か
朱律と揚花火 夕凪を背景に愁然
水縹に溶けそうなその笑顔
忘れない 忘れない
歳月などに奪わせやしない__
鵯が西に飛んでいく
君と手を繋ぎ帰ろう
夕焼け小焼けが
僕らの足跡も隠して漂ってる
葉が散る風上に 想いを乗せた
袖の時雨 悴む指 行く先照らすは雪灯り
神社でも願えなかった 君の幸せ
薄氷を踏んだ恋を忘れるように
君を四季で彩るように
恋焦がれてしまった__
草結び永久に乞う 秋簾は僕の想い
忘らるるは僕か君か
上天と雪催い 風花を掴んでは蕭然
氷花に閉じ込めたその笑顔
忘れない 忘れない
想いだけは奪わせやしない__
彩る恋心を君と奏でて__
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