水源から垂る雫――冥へと、深く、澱に溶ける
河は無常を湛えて流る 絶えず刹那を水面に写し
やがて雨が降り、地に滲みて芽を息吹き
幾重も年輪を紡ぎ大樹と成す様に
跡無き路、己で踏締め進んで往く――未き刻へと
数多の手が闇に燈る淡い光へと伸びてゆく――
――救い、願い、赦し、何かを求めて腕を伸ばす
胎動の様な地鳴り聞えし昏い闇
「嗚呼――顔無き月が微笑む!」
流れ着いて、また流れ往く――既来た地へ、未識らぬ地へ
狼の吼が遠く聞こえる、鬨を上げる様に
――季節が彩り変える様に、万物は流る
何も彼もが、天翔る星、流れる雲、颪の様に絶えず駆ける
永久無き刻を進んで往く――留まることなく
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