「キドさんって、何の仕事してるんですか?」

「……まるで、俺が仕事をしてないかのような言い種だな」

 そんなことをいいながら、キドはヒビヤに冷たい視線を送る。メカクシ団に入り直して月日は浅い(そもそも最初にメカクシ団に入った期間は微々たるものだ)ので、様々なことを聞こうとしたのだが、それがキドの逆鱗に触れてしまったらしい。

「キドは俺と愛を育んでいるんだよな~……って痛い痛い! 腕もげちゃう!」

「カノ、お前の腕なんて私は必要としないからな。……非常に残念なことだ」

「笑いながら腕もごうとする人間が言うセリフじゃねぇ……!!」

 カノはキドにヘッドロックさせられ、尚も笑っている。それは彼のプライドでもあるのか、はたまたただの適当なのか、とにかく痛くないのだろうか?

「……ヒビヤくん入って日も浅いし。団長、なんか任務らしい任務でもしない?」

「モモ、何か意見があるんだろうな?」

「……とりあえず、街の探索? 確か、ヒビヤくんここ来て日が浅いんだよね?」

「はい……、というか殆どはじめてですけど……」

「よし、なら決定!! 俺はキドと組んd」

「誰がペアになると言った?」

 キドはカノの脇腹を力の限りつねった。彼はまた笑っていたが、その顔には汗が浮かんでいた。――すごいプライドである。


***


「ここは翌桧(あすなろ)っていう。まあ、変わった地名だろうが、俺が生まれる前はもうちょっと田舎っぽい名前だったとは聞く」

 なんだかんだでキドは優しいらしい。カノやモモが発言したことで成立したヒビヤたちへの街の探索は、気づいたらキド主導で始まっていたからだ。



つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

カゲロウプロジェクト 26話【二次創作】

オリジナルストーリーってやつです。

24,25話はのちのち。

―この小説について―

この小説は以下の曲を原作としています。


カゲロウプロジェクト……http://www.nicovideo.jp/mylist/30497131

原作:じん(自然の敵P)様

『人造エネミー』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm13628080 
『メカクシコード』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm14595248
『カゲロウデイズ』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm15751190
『ヘッドフォンアクター』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16429826
『想像フォレスト』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16846374
『コノハの世界事情』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm17397763 
『エネの電脳紀行』
『透明アンサー』
『如月アテンション』http://www.nicovideo.jp/watch/sm17930619
ほか

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閲覧数:852

投稿日:2012/07/05 00:18:13

文字数:711文字

カテゴリ:小説

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