第十七話 過去から

 あの事を、あの人を、あの過去を―――おとてさんは―――。


 「なんだいなんだい。しらばっくれるんじゃないよ。言ったね? あたしは、知ってるんだ――この意味、わかるよねえ?」


 わかるもなにも。
わかる以前の問題で分かっている。

 何しろその事件は、私が起こしたも同然だから。


 「れん――何を、したの―――?」

 「おりんさん、それは―――」


 おりんさんには、言えない。
だって、きっと、いえばおりんさんは、私のことを嫌いになってしまう―――。



 「そりゃあ言えないよねえ。奉公先のお嬢さんに嫌われちゃあ―――ねえ?」



 貫くような、冷たい目線。
まるで氷のような――――――。




 「何やってんだ!!!!」




 後ろからだ。
威勢のいいおなごの声がした。

 聞いたことのある声。

 走ってきたのか、息が切れている。



 ゆっくりと振り返ると、そこには―――。



 「ぐみ……?」


 「ああそうだよ! そんなこと後でいいから、れんはちゃんと目の前にいる奴のことを感じろっ!!!」

 おとてさんのことを――感じる?
どうやって。




 「―――ああもうっ!! そいつは人間じゃないよっ!!」


 慌てておとてさんを見ると、またも不気味な笑みを浮かべていた。
確かに、人間ではない―――途轍もない―――。






 「雪女だっ」












 ぐみが叫んだ。
おりんさんがおとてさんを凝視した。


 私は―――ただただ、茫然と立ち尽くしていた。









 雪―――女――――。












 ああ、なるほど。
それじゃあ、つじつまが合う。




 「れんっ!!! 何してんのよっ!? もうすぐあの連中の追手が来る!!! 早く逃げないと――っ」





 雪女。





 よみがえる、記憶。





 白、あの人の笑顔、声、肌の色、目、まつ毛、髪の毛、服、手、指。
みんなの顔、おびえた顔、怒りの顔、狂気の顔。


 そして―――――赤。
燃えるような、どす黒いような。
生臭いような甘酸っぱいような―――――――赤――――――!!!!!!!!!












 「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」










 何も見えない。

 前が、見えない。



















 君しか見えなくて――――もう。






















 何も見えない――――――――――。

























ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

ノンブラッディ

もそろそろ、過去を明かすべきかなあ

來佳さんが、おりんさんを描いてくれました!!
ほんと色遣いきれいですよっ><

ありがとうございましたあ!!!
http://piapro.jp/t/78Bk

閲覧数:165

投稿日:2013/01/19 09:11:57

文字数:1,331文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    やはり……序盤から「白」と「雪」を強調していたので、雪女か、白雪姫か迷ったのですが←

    2012/12/22 09:31:33

    • イズミ草

      イズミ草

      白雪姫は童話っぽいですねw
      妖怪とかにしたかったので雪女ですw

      2012/12/22 16:56:48

  • つかさ君

    つかさ君

    ご意見・ご感想

    れ、れん!しっかりしろおおおお!

    と、いうわけで次回期待します。
    過去気になりまくります!

    2012/10/27 20:16:46

    • イズミ草

      イズミ草

      なかなか、しっかりできないんだよww
      そこがいいんだけどねっ

      次回でちゃんと過去にいけるかは
      微妙だぜww

      2012/10/27 20:30:42

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