「おっそーい!もう閣下何やってるのー!?」

突然しびれをきらしたようにそんなことを言いだしたのは
今話題の関西芋ぱん伝の最年長であるぱぴこだ。
頭に怒りマークを浮かべながら顔をしかめている。
その横では同じく関西芋ぱん伝に所属している殿下が苦笑した。

彼が不機嫌になるのもそのはずだった。
今は午後1時13分。
待ち合わせの時間は1時。

しかも待ち合わせの場所は31の前ときている。
大好きなアイスを前にされては1分1秒が特に長く感じるだろう。

「めずらしいね~・・・先輩が遅れるなんて」

口元に手を当て真剣な面持ちで殿下は疑問を呟く。
その言葉にもお~~!っと唸っていたぱぴこが同感だという風にうなずく。

「うん、アイスの事だと絶対に遅れないのにねー」

実際におかしかったのだ。
いつもなら一番先に待ち合わせ場所にいて『2人ともおそーい!待ちくたびれたやんか~』
等といってくる彼が待ち合わせを約20分まわっても来ない。

そればかりか来れない時はだいたい早めに連絡を入れてくる
という以外とこまめな性格の持ち主なのだ。
どう考えたってこれはおかしいと考えるのが妥当だろう。

(もしかして・・・先輩)

どうにも不安は広まる一方で考えは悪いほうへ向かっていく。

「殿下?」
「・・・・・。」
「殿下ー?」

下から上目づかいで覗き込んでくるぱぴこが
心配そうな顔をしていることに気づき、何でもないと首を横に振る。
しかしそれでも見つめてくるぱぴこに観念し不安を言葉にする。

「あ~・・・なんか嫌な予感がするんよ~」

瞼を一度下ろしてからため息をつく。
再び外の景色を視界に入れると目の前にいたはずのぱぴこがいなかった。

「じゃあ探してみる?」

声のする方へ視線を移すとぱぴこが公衆電話で誰かに連絡を取っている所だった。
最初にかけた人が出なかったらしく一度受話器を置いた後
また違う人のダイヤルを押している。
しばらくして、ぱぴこが受話器を通して相手に喋りはじめた。

「もしもし、芋屋さんのお宅ですか?」
『はいそうです。』
「いももいますか?」
『ぱぴこさん?うんちょっと待ってね。』

そういった後すぐに受話器を置いたのかガタッっという音が聞こえ
澄んだ声が小さく聞こえてくる。

『お兄ちゃーーん!!ぱぴこさんから電話だよー!』

するとえっぱぴこくんから?という風な声が聞こえ、またガタっと音がした。

『もしもし、ぱぴこくん?』
「いもも~?ごめんね、何かしてた?」
『ううん、大丈夫だよ。それでどうしたの?』
「うん、あのね閣下そっちに来なかった?」
『閣下さん?ううん、来てないよ』
「そっかぁー」
『ぱぴこくん、何かあったの?』
「あっうん、え~っとねー」

ぱぴこが誰かに連絡を取っている間
やることのない殿下はなんとなく視線を店内に移してみた。
すると今まで気づかなかったが、この店の周辺で見ること自体
滅多にない黄色い髪の女の子が椅子に座っていた。
ずーっと見ていると注文が来たらしく手に箱を持って店を出てきた。

「あっ」

ちらっとこっちを見てきたのでとりあえず挨拶をする。
するとポケットからはみ出しているキーホルダーの山をジャラジャラと
揺らしながら慌てるように足早に立ち去っていった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【ぐだぐだ小説】 事件発生! ♯2

今回は閣下が罠にひかかって気絶している間を書いてみました。
よほど痛かったらしく結構な間、閣下は気絶しているかもしれません・・・。

そしてやっと芋っ子が電話越しに出てきてくれました。
それにしても、私は殿下に一番セリフを言わせにくいようです;
いっぽ間違えば関西弁になってしまいそうでむずかしいです。
殿下の喋りがなんか違うと思ったら指摘してください;

閲覧数:906

投稿日:2008/12/23 22:26:48

文字数:1,375文字

カテゴリ:小説

  • コメント4

  • 関連動画0

  • ユウカ

    ユウカ

    ご意見・ご感想

    コメント有難うございます!!!

    96シバさん

    一番乗り!有難うございます。
    そうですねー;早く4人を合流させないと・・・。
    それにしてもまだ2話目なのにすでに次の展開に詰まってますw
    どうしたら良いんでしょうwとりあえず次回もなんとかお休みにはUPしたいと思ってます!


    cvottoさん

    こんばんは!

    なんとか続編を完成させてUPさせていただきました。
    私の中では何となく一番冷静に考えるのは殿下だと思ってますw
    何となく殿下は閣下のことにかけては頭が回ったりしそうです。長い付き合い?っぽいのでw
    次のときに遅れて芋っ子が出てきてくれそうです。
    はやく4人で事件を解決をさせたい!
    ストーカありがとうございまs


    希春様

    こんにちは
    はじめまして!
    まだ2話目ですが1話から読んできてくださって嬉しいです!
    黄色い髪のあの子ですかw
    まあそれはお話がすすむごとにわかることなのであえて秘密ですw
    殿下の能力は無限大ではないでしょうかw?きっと関西芋ぱん伝の4人には色々な特技が!
    何が何でも感想をいただけて嬉しいです!
    また見に来てくださるんですか?有難うございます!

    2008/12/23 22:41:23

  • 里來

    里來

    ご意見・ご感想

    こんにちは~初めまして^^
    1から見させてもらいました。
    一番気になるところはあの黄色い髪の…あれ?見覚えがあるようなないような←
    あ~…閣下はそこにいますよ。いますよ~。

    殿下、さすがですねw一体どのくらい能力を持ち合わせているんだろうか…後輩とは思えない。
    ぱぴこも良いですよ。大先輩な事に、一番後輩の殿下を心配する…そしてすぐ公衆電話に芋っ子やなんやらと話す(
    何が何でも良かったです!
    また見させてもらいますねv では!

    2008/12/23 09:56:28

  • cyotto

    cyotto

    ご意見・ご感想

    こんばんは!続編だwww

    殿下冷静だなぁ~^^
    すばやい行動力、ぱぴこの最年長らしさを垣間見た気がしますw
    芋っ子も合流ですね~!これからどうなるのかw

    次回もストーかr( させていただきますねv

    2008/12/22 23:42:38

  • 96シバ

    96シバ

    ご意見・ご感想

    今晩和~。

    一番乗りで早速、来ました(笑)。

    閣下を早く捜索に行かないとですね。
    4人揃ってるところが早くみたいです。次回も楽しみにしております!

    2008/12/22 21:55:26

ブクマつながり

もっと見る

クリップボードにコピーしました