C
川の瀬に凍みる足が
光る筋に晒されて
連れや、連れ行け天の橋
糸が垂れるその先へ

A
怒れる辰の涙を拭う
お役目いただく十の夜
願い結われた五色の紐
八重二重、襲ね鎖

B
背押す腕が身を鳴らして
かちこちや、骨の柏手
巻き潰されたや空眼(からまなこ)
濡れ、ぬれて

S
しずしず白引き参ります
水面に写りて星の宮
遠くどなたか投げる花
昇る泡沫、音ばかり


A
岩永の世を誰(たれ)が知るのか
打つ水ばかりが地を穿ち
滲み出でた(しみいでた)が魚(うお)の稚児
石ノ花や、晶の鱗

B
八百万のたましいが
あちこちと、散り花火の粉
はぜて転んだ命の素よ
見えぬ、みえぬ

B'
早瀬で始まる稚児の群れ
産まれず昇れずかき消えて
一つ残った淋しさは
癒えぬ、いえぬ

S
しずしず汐引き詣りましょう
水面揺らしたあなたさま
泡の波紋が届く頃
誰ぞの花、底に投げた

C'
回り廻りて星走り
慟哭の下、花が届く
やれ見やれや水の底の
天より真白の、指が届く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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糸滝抄

竜の慰みに生贄は昔話のおやくそく。
では、その会合は?生贄と竜の、その後のお話につながる一瞬のお話。

閲覧数:136

投稿日:2015/03/11 23:45:30

文字数:432文字

カテゴリ:歌詞

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