「……キド」

 カノは隣で眠っているキドを見て、微笑んでいた。

 あれから――一年が過ぎた。

 何があったんだ、と一言では語りきれない程の出来事が起きた。

 そして、今安寧の時を過ごしている。

「――キド」

 眠っている彼女の顔は今、お世辞でもなく、綺麗だ。

「……」

 まだ彼女は眠っている。連日の家事に疲れてしまったんだろう。『カゲロウデイズ』に関することも終わったあとだから尚更、彼女は疲れたに違いない。

「キド、かわいいね」

 カノは無意識に呟いた。彼女の顔をじっと眺める。彼女は今フードを脱いでいるから、顔が全部みえるようになっている。

 そこから見える顔――白い肌――モモも羨ましがっていた。

 カノは何かを考えて――唇を近づけた。












「おい、何してんだ」

「……キド、起きてらっしゃったの?」

「いいかげんにしろ」

 ドゴッ!!

 刹那、カノはキドに殴られた。

「……ふぅ、まったく淫らなことをしようと思うからだ」

 そう言って、キドはキッチンのある方へ歩いていった。

 カノは金的をされたらしく、股間を抑えて暫く悶絶していた。







おわり。

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【カノキド】目を凝らして見つめる話

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投稿日:2013/01/04 21:38:10

文字数:513文字

カテゴリ:小説

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