「……キド」
カノは隣で眠っているキドを見て、微笑んでいた。
あれから――一年が過ぎた。
何があったんだ、と一言では語りきれない程の出来事が起きた。
そして、今安寧の時を過ごしている。
「――キド」
眠っている彼女の顔は今、お世辞でもなく、綺麗だ。
「……」
まだ彼女は眠っている。連日の家事に疲れてしまったんだろう。『カゲロウデイズ』に関することも終わったあとだから尚更、彼女は疲れたに違いない。
「キド、かわいいね」
カノは無意識に呟いた。彼女の顔をじっと眺める。彼女は今フードを脱いでいるから、顔が全部みえるようになっている。
そこから見える顔――白い肌――モモも羨ましがっていた。
カノは何かを考えて――唇を近づけた。
「おい、何してんだ」
「……キド、起きてらっしゃったの?」
「いいかげんにしろ」
ドゴッ!!
刹那、カノはキドに殴られた。
「……ふぅ、まったく淫らなことをしようと思うからだ」
そう言って、キドはキッチンのある方へ歩いていった。
カノは金的をされたらしく、股間を抑えて暫く悶絶していた。
おわり。
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