凛が言った時だった。
パタパタパタ・・・
天井から、物音がした。
「なんか、上から物音がするわね」
「さようにございますね・・・」
ドン!
「誰だ、お前ら!!」
天井から、女が二人降ってきた。
「我が名は百合!姫を連れ戻しに参った!!」
「我が名は麻奈!!姫を返せ!!」
百合と名乗った女は、凛と同じ金の髪をしていた。
もう一人の麻奈と名乗った女は、空の髪をしていた。
二人とも、おそらくくの一だ。
「参るぞ!!」
二人の女は、家臣に襲い掛かった。
「させるか!!」
「海斗殿!ここは我々に任せて逃げてくだせぇ!!」
そう言われても、ここで逃げたらこいつら二人は何をしでかすか分からない。
「百合!」
麻奈は百合に武器を手渡した。
「は!」
「うッ!?」
家臣の腕が、赤く染まる。
「姫!!」
麻奈は凛に駆け寄る。
「貴様!!姫に近づくな!!」
麻奈は俺を鋭い目で睨んで、俺に刃を突きたてた。
「お前こそ、この城から出て行け!!ここは俺の城だ!!」
俺はそこらへんにあった刀を抜いた。
「は!!」
「ッ!?」
思った以上に、力が強い。
普通の女とは思えない。
「ッ!!クソッ!!」
あまりの力の強さに、俺はその場に倒れた。
「とどめだ!!」
ドンッ!
「詰めが甘いよ、お嬢ちゃん」
俺の横の壁に、矢が刺さった。
「誰だ、お前!」
「そいつはあたしの大事な旦那だ。勝手に手を出してくれちゃあ困るね」
旦那!?
いつもの芽衣子と明らかに様子が違う。
「麻奈、何をやっとう!?早う、帰れよ!?」
「姫を連れ戻すまで、帰りませぬ」
凛と知り合い?
「わしは、帰る気なんてないわ!!」
凛がそう言った時、
バタン!
「!?」
また上から人が降ってきた。
「姫様」
今度は、着物を着たあけび色の長髪の男。
「楽歩・・・・」
凛は、驚いた顔をした。
「二人とも、下がれ」
「でも・・・」
「姫が嫌がっておろう?」
男は静かな声で言ったが、麻奈と百合を睨んでいた。
その迫力におされて、麻奈と百合の二人は下がった。
「先ほどは失礼いたしました。何しろ、16歳と10歳の姉妹で、礼儀の一つも知らない小娘でございまして」
「あ・・・あぁ」
姉妹だったのか・・・・
「私は凛様の使いの神威楽歩と申します。あの二人の小娘は我が城の忍者、愛音麻奈、愛音百合でございます」
「あ、俺は・・・」
「海斗殿にございましょう?あの有名な大名の息子の」
「あ、はい・・・」
言うことがないな・・・・
「楽歩!わしは何言われても帰らんじょ!!」
凛は楽歩に向かって言った。
「凛様、関係のない方々にも、迷惑をかけるおつもりですか?」
「うっ・・・」
楽歩は続ける。
「現に凛様は、海斗殿の大切なお仲間を傷つけたでしょう?」
「あれはわしがやったんじゃないもん・・・」
「ですが、責任は凛様にあるんです」
「・・・・・」
凛は俯き、黙ってしまった。
「あの、そちらがいいのだったら凛様をここに泊まっていただいてもよろしいですよ?」
見かねた美紅が言った。
「いえ、迷惑に・・・・」
「泊まる!!」
楽歩がの言葉を凛がさえぎった。
「泊まってもいいって言ってくれてるし、いいじゃろ!?」
「凛様・・・」
「何で言うこと聞いてくれないんじょ!!言うこと聞かない楽歩なんか嫌いじゃ!!」
沈黙が流れた。
「・・・はぁ。海斗殿、本当に泊まらせていただいてもよろしいのですか?」
楽歩がため息交じりに聞いた。
「え、あ・・・」
「構いませんよ!」
「構わないわよ」
俺が言う前に、美紅と芽衣子が同時に言った。
・・・ここの主は俺なのに・・・
「ねー、海斗♪」
「あ、まぁ・・・部屋も用意できるし・・・」
芽衣子につられて答えた。
「いいじゃろ・・・?」
凛が楽歩の手を握った。
「・・・・仕方ないですね・・・・では、海斗殿、よろしくお願いいたします」
「やったー!!」
凛は嬉しさのあまり、両手を挙げて踊りだした。
「・・・では、私達はこれで・・・・」
「あ、待って!!」
凛が楽歩を呼び止めた。
「やっぱり、わしは楽歩が大好きじゃ!」
「・・・それは良かった」
単純というか、なんというか・・・
「凛様は、私達にお任せ下さいね」
「本当にありがとうございます。明朝には迎えにあがりますので」
楽歩は一礼して、麻奈と百合と共に広間から出て行った。
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ご意見・ご感想
あぃヵ♪
ご意見・ご感想
すごいよぉ>< ふみゅさん。
神すぎるよー><
いきなりですみません。。。
私も小説かきました!!
見てくださいw
2010/01/22 18:23:47