第十三章
『大好き』
「すいませーん」
コンコンという音で私は部屋の扉を開ける。
其処には赤い着物の女性が立っていた。
「貴女がミクちゃん?」
ニコッと笑った時に両頬に笑窪が見えた。
「初めまして、私が宮野香織です」
そう言うと後ろにいたがくぽさんが顔を出して私に持ってきた土産を渡す。
中には果物が詰め込まれてあった。
それをマスターに渡す。
「初めまして」
マスターが立とうとするが香織さんはそれを制する。
「あ、気遣い無く。
今日はお話だけでもと思ったんで」
出された指はマスターのよりも白かった。
そして私が用意した椅子に腰掛ける。
「すいません。
なにもご用意していなくって」
マスターが謝ると「此方こそ。いきなりの訪問を申し訳ないです」と言って笑った。
それからマスターと少し話があるということで私とがくぽさんは一旦PCの中へ入った。
「香織さんって綺麗だね」
そう言うと「ああ」と答えが返ってきた。
「主は正しく大和撫子で御座る」
誇らしげにそう言った後に「ミク殿のマスターも美人で御座るよ」と言った。
「でしょうっ!
マスターは優しくって綺麗で良い人なの」
マスターを褒めてもらった私は嬉しくなって笑顔になった。
「・・・・・・ミク殿はマスターの事を好いておるのだな?」
がくぽさんは私にそう言って微笑んだ。
「うん。
世界の誰よりも大好きっ!!」
マスターがいなくなるなんて考えられない。
「大事にするで御座るよ」
「がくぽさんもね」
私はそう言ってニヤリと笑った。
がくぽさんは驚いたように私を見つめたがやがて「あぁ」と小さく笑った。
数分後、マスターに呼ばれて出て行ってみると香織さんは帰ろうとしていた。
「じゃあね、ミクちゃん」
「はい、また来てくださいね!!」
そう言うと香織さんは微笑んで帰っていった。
お見送りしていると後ろのマスターに呼ばれて私が振り返る。
「ミク、がくぽとどんな話をしていたの?」
マスターはベットに座って私を見つめていた。
何時もより少し頬の血色が良いように見えた。
「それは・・・・・・・・・・」
マスターが一番大好きって話ですよ!!
私はそう言って驚いているマスターに抱きついた。
コメント1
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いつか海に出会うまで
流れるように明日に行きたい
光る風を追いかけて
すぐ近くを 流れていく落ち葉のそばに寄り添った
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ジカオ
願わくば
BPM=90
カーテンを潜り抜けた光が瞼を刺す
そうか朝が来た、また今日が来たんだ
みんなと同じように生きれないから
8時にセットしたアラームに怒られる毎日
みんな違ってみんないいと教わったけど
みんなと違った僕は生きづらいんだよ
もうこんな人生嫌なんだ 逃げ出したいんだよ
でも逃げ場な...願わくば
まってぃ
A
目を覚ますと グラグラ
あそっか 今日は 雨か
痛いよ 辛いよ
そればかりが グルグル
コーヒーも飲めたもんじゃないな
A'
やらなきゃな アレコレ
毎日 嫌でも くるし
苦いの 甘いの...For the day
ハルピコ
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土産にナスが入っているのではと疑っちゃったww(´∀`*)ww
久しぶりですねっ!待ち遠しかったです>ω<
香織さんは…何をしに来たのだろう…すごく気になります><
そしてがくぽとの恋m(黙れ★
続き、楽しみにしてます><
2009/10/23 19:12:24