静かだ・・・・静か・・・
俺の毎日の日課・・・・
ヘッドホンを耳に当てて、音楽を聴きながら寝っころがりながら空を見上げる。
そんな日課もアイツが来ると一気に崩れる。
そして今、そのアイツが走って俺のところに向かっていた。
「グ~ミヤ!!見て見て、テスト90点取ったよ!!!」
「うわっ、ビックリした!!」
俺はヘッドホンを耳から外し、立ち上がる。
「何だよ?」
「もう、何だよって聞いてなかったの?だ~か~ら~テストで90点取ったの!!」
「なんのテスト?」
「理科~♪」
「ふ~ん・・・・俺100点だったけど?」
俺が何事もなく言うとグミは、ちょっと頬を膨らませ俺を睨んだ。
「あっそ、そうですか~」
「何?怒ってんの?」
「別に!!どこが怒ってるっていうのよ!」
ー完璧、怒ってんじゃね~か・・・・
とは、言えず俺はグミの横を通りドアに向かって歩いた。こういう時は逃げるが勝ちだ。俺は少し走り気味に階段を降りた。すると、後ろから、何やら走って降りてくる音が聞こえた。
「待ーちーなーさーい!!」
グミは、怒鳴りながら階段を駆け降りた。
「おいっ!そんなに速く降りると、転ぶぞ!!」
俺が言った瞬間、グミはバランスを崩して落ちてきた。
「キャッ!!!」
「ちょっ!!!」
すさまじい音がした・・・・っつか全身痛い。俺の上にグミが乗っかっていた。
ーうわっ!!
ちょっと、俺にとってグミに何ミリかの距離で接近されると困る・・・・。
「っ痛!!」
「グッグミヤ!!大丈夫!?」
俺は無言で立ち上がりごみを払った。グミの前で弱い部分は見せたくない。
「ねっねぇ・・・大丈夫??」
俺は、ただただ無言で歩いた全身が熱い。ボーっとしながら俺はグミの呼びかけに気づかず歩いていた。
「ねぇ、グミヤってば!!」
ついにグミは俺の手を引っ張った。それと同時に俺は我に返った。
「なっ、なんだよ!!」
「大丈夫??」
「あぁ・・気にすんな・・・・」
俺は少し気が抜けた声でグミに返事し、教室に戻った。俺が席に座るとクラスメイトのレンが話しかけてきた。
「ねぇ、大丈夫?」
「はっ?何が?」
「肘の部分、血が滲んでるよ!」
レンに言われるまで気が付かなかった。それに気づいたと同時に少し傷が痛んだ。
「保健室に行ったら?」
「あぁ・・・そうする。」
俺は肘を片方の手で押さえながら、保健室へ向かった。
「失礼します。」
「あらっ、どうしたの?」
「ちょっとケガしちゃって。」
「あらあら、痛そうね。すぐ、消毒しましょう。」
保健室のメイコ先生。結構、綺麗。だが、生徒の間では、彼氏が居るという噂が流れてる。
「はい、終了。」
「ありがとうございます。」
ここにグミが居たら、多分、嫌な空気になるだろうな~と想像しながら廊下を歩いていた。もし神が存在するなら、ちょっとクレームを言いたい。
「グミヤ・・・そのケガ・・・・」
「いやっ、コレは、転んで・・・」
「さっきの傷だよね・・・」
グミは、少し目線を下に向けて俺に近づいた。
「ゴメン!!」
ただその一言を言って、グミは走っていった。
「おっおい!!」
授業後、いつもならグミが「一緒に帰ろう」って言って、飛びついてくる。そして、俺とレンとリンとグミの4人で帰る・・・はずだが、今日は来ない。
「ねぇ、グミヤ~グミは~?」
リンは、気ままに俺に尋ねた。
「分かんない・・・多分、先に帰った。」
「えぇ~そんな~」
「じゃあさ、今日は3人で帰ろうよ。」
レンは空気を明るくしようとしたのか、明るい口調で言った。
「ゴメン、俺・・・先に帰るわ・・・・」
「えっ・・・あっ・・そっか。」
「ゴメン・・・」
「全然、また明日♪」
「あぁ・・・・・」
俺は、重い足を動かして、家へ帰った。
ーグミ・・・・・
~続く~
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