古いマンションの一室に、いま、サナギちゃんがいるという。
リンちゃんは聞いた。
「あそこ、月光企画の部屋なんですか」
「ええと、その“関連会社”なのよ。Moonlit(ムーンリット)ってうんです」
続けて、駿河ちゃんは尋ねた。
「いま、サナギちゃん、そこで何をしてるんですか?」
ベニスズメさんは答えた。
「対話しているのよ。パソコンと」
「え?」「パソコンと?」
2人は異口同音に聞き返した。
「パソコンに向かって、しゃべってるの。いちおう、音声入力で、記録はさせてもらうけど」
ベニスズメさんは、2人を見つめて答えた。
●“はっちゅーね”の不思議
駿河ちゃんはそれを聞いて、首をひねっていたが...。
リンちゃんは、さらに聞く。
「あのー、そのMoonlitというところ、って、何をしているところですか?」
「コンピュータを使った、データ管理のひととおりよ。それと、いろんなプログラミングとか、いろいろね」
2人は黙って彼女の話を聞いた。
すると、彼女はこんなことを言う。
「あそこから、“はっちゅーね”に、データを送って話させることもできます」
「えッ」
リンちゃんは、思わず声を出してしまった。
●ツクヨミのちから
ベニスズメさんは、リンちゃんを見つめた。
「プロモ・ビデオの撮影が終わった夜だけど。怖い思いをさせて、ごめんなさいね」
目を大きく見開いて、彼女を見つめるリンちゃん。
「ああしないと、ツクヨミ様の“怒りが、リンちゃんに降りかかるところだったの」
「ああしないと、って?」
聞かれて、彼女はつぶやく。
「あの時、あなたたちの夕飯に、オクスリを混ぜたのよ。眠くなるように」
そうか。夕飯を食べた後、急に倒れこんで眠ってしまった。それは、そういうワケだったんだ。
リンちゃんは思った。
「部屋の外に出ないで、って、あの夜言ってましたね。だからですか」
「ええ。そうなの」
「出ると、どうなったんですか」
「...出ちゃったでしょ。サナギちゃん。ツクヨミの怒りを、浴びちゃった」
彼女は、向こうに見えるマンションの方を見て、続ける。
「だから、いま、パソコンと話をして、もとにもどしているんです」
●ミクさんの意向
あの夜の出来事を知らない駿河ちゃんは、黙って2人の会話を聞いていた。
「あの、横から口出しして悪いですけど」
ふと疑問に思ったことを、口に出した。
ベニスズメさんは、リンちゃんとの話をやめ、「はい?」と応じる。
「その、“ツクヨミ”のする事を、あなたは、邪魔しているみたいに、思えますけど」
言われて、彼女はちょっと苦笑いして、黙る。
駿河ちゃんは続けて聞いた。
「そもそも、なんでそんな、“怒り”を受けなきゃならないの?リンちゃんや、サナギちゃんが」
ベニスズメさんは、ゆっくりと答えた。
「今回の、“リンリンはっちゅーね”のビデオのお仕事、どうも有難う。でも」
彼女は、少し残念そうに言った。
「このお仕事に関しては、もう一緒にやれることは無さそうなの」
リンちゃんは、意外な顔をして、彼女を見る。
彼女は言った。
「“はっちゅーね”に関しては、ミクさんが、私たち月光企画との仕事を、もう、したくないって言われたのよ」(ノ_-;)
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