「あれ、リン。駿河さん。あたし、なんで?ここに。あ、そっか」
なにやら、ぶつぶつとつぶやきながら、サナギちゃんは部屋を見回して言った。
「そうか、ここ、ツクヨミ君のいる会社だね」
リンちゃんは、彼女に向かって言った。
「そうだよ。サナギ、あんたこの頃、ちょっとヘンだったよ」
「なんで?」
2人は、言い争うほどではないが、言い合いをはじめた。...いつもの調子で。
それを見て、ツクヨミ少年は、ニコニコして小さくうなずいた。
駿河ちゃんは、また机の上にある、小ビンに目をやった。
「このビンの中に、いま見えていたものは、何?」
ツクヨミ少年は、静かに答えた。
「中に見えてたのは、サナギさんの、ココロ、です」
●ツクヨミは、別にいる
言われて、駿河ちゃんは目をみはる。
「え?ココロ? ココロって、気持ちのこと?」
「ええ。くわしく言うと、彼女の“自由な心”、かな」
ツクヨミ少年は言う。
「よくわかんないけど、なんでそんなものが、この中にあるんです?」
そういって、小ビンを指さす。
すると横から、ベニスズメさんが口を入れた。
「ツクヨミ様の、怒りを呼んでしまったんです。サナギちゃん」
目を丸くする駿河ちゃん。
「へ?ツクヨミ様の怒りって。あなたの怒りですか?」
そういって、目の前にいる少年を見つめる。
ツクヨミ少年は、ちょっとニガ笑いをして答えた。
「いえいえ、ツクヨミ様、っていうのは、僕のことじゃなくて、別にいるんです」
●怒ると、何かが起こる
駿河ちゃんは、また首をかしげた。
「別にいるの。じゃ、ツクヨミさんって、2人いるの?」
少年は、ニコニコ笑っている。
ベニスズメさんが言った。
「まあ、そうなんです。というか、ここにいる彼は、ツクヨミ様の“お使い”なのよ」
部屋の隅では、まだ、リンちゃんとサナギちゃんが言い争って、というか、仲良く喧嘩をしている。
それを横目で見て、駿河ちゃんはつぶやいた。
「彼女、元気になったみたいね。よかった。でも、その“ツクヨミ様”が怒ると、何か起こるわけですか」
“様”ではなく、“少年”の方のツクヨミ君は、言う。
「この間の、リンちゃんとサナギちゃんとの、ビデオ制作の仕事は、楽しかったし、とても上手くいきました。でも」
腕組みをして、続ける。
「とつぜん、ミクさんから、“お仕事を打ち切る”という話があったんです。それで」
彼は、声をひそめて、つぶやいた。
「その“突然さ”に、腹を立てられて。そして、力が発動してしまったんですね」(-_-)
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kemu
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