4-3.

 結局、愛が乱入してきたせいで海斗さんに「好き」と伝えられなかった。
 塾は十分遅刻してしまったし、しかも愛は塾が終わってからも一緒に帰ると言って、しっかりと家までついてきた……というか、まだいる。
「今日は未来ん家に泊まります!」
 また、宣言された。
 しかもまた、私のことはお構いなしだ。まぁ、その、嫌じゃないんだけれど。
 ……一応、パパとママには了解をもらえたけれど、二人ともたぶん納得はしてないみたいな言い方だった。
「あ! クッキーがある!」
「食べるのは全然構わないけど……メグ、太るわよ?」
「んー。確かに、最近ブラがキツいのよね」
「……」
 ママの作った甘いクッキーをバリバリと食べる愛が、心底うらやましいと思った。本当に脂肪が胸にしかついていないらしい。もう、うらやましいとかよりも、あり得ないと思う。
 私はため息をつくと、エプロンをつけて台所へ向かう。今日は愛にも手伝ってもらおう。いつもとは違う、ちょっと凝った料理を作ってみるのもいいかもしれない。
 パパでもママでもない誰かのためなら、私は頑張ることができるような気がする。私にとって当たり前になってしまった多くのことに、私がやらざるを得なくなってしまった多くのことに、喜び、励まし、驚いてくれる、そんな人達のためなら。
 今までいなかった愛のような友達。今までいなかった海斗さんのようなあこがれの人。知らなかった。そんな人達がいてくれることが、こんなに嬉しいことだったなんて。こんなに楽しいことだったなんて。
 私達は一緒に晩ご飯を食べて、片付けをして、お風呂に入って、テレビを見た。いつも一人でしてたことが、楽しいと思えたのは初めてだった。
 ただ、一つだけ言わせてもらえるなら、あの狭いお風呂に二人で入るのはかなり無理があったし、なんだか愛のスタイルの良さを見せつけられてしまった感じがして、あんまり楽しいとは言えなかったかもしれない。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ロミオとシンデレラ 19 ※2次創作

第十九話。


以前、オリジナルの小説をmixiで書いていたのを見せたとき、友人に「精神描写をダラダラ書きすぎ」と言われました。
その癖は・・・・・・今回でもあまり改善されていないような気がします。余計な文章が多いのかもしれません。

やっぱり、もっと上手い文章が書けるようにならないとダメですね。

閲覧数:299

投稿日:2013/12/07 12:57:23

文字数:820文字

カテゴリ:小説

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