「ふぁ・・・」
俺は今日だけで数回目の大きなあくびをした。
それを見ていたあいつが、呆れたように口を開く。
「まったく・・・、ちょっとぉレンア!少しは手伝いなさいよ!」
あいつ・・・、エリンは大きな瞳を思い切りつり上げて俺に言った。
「はいはい・・・。」
俺はのんびりと腰を上げると、エリンの元へと歩いていった。


ここはアリロッタンナ国の外れにある、サンゲカールズエル村。
俺とエリンは、アリロッタンナに伝わる、マルゲロー二一族の子孫。
マルゲロー二一族は、代々「光」と「影」を操る一族だが、
アリロッタンナには、他にもいろんな力を持つ民族がいる。
例えば、「水」を操るスイナル族、「炎」を操るカルマーラ族、「空」を操るクリミエ族、
「緑」を操るモヒルマーヌ族・・・のように、それぞれ操るものも違うし、髪や瞳の色、住んでいる地域も違う。
ただ一つ、共通することは、力を使って「人助け」をすることだ。
人類がこの世に生まれたその瞬間から、人々は自分に足りないものを補い、他人に足りないものを補ってきた。
それが、「特殊な力」にすり替わった。それだけのことだ。


「ほーらっレンア!早くーっ!」
小さな小瓶に「光」・・・、幸運をもたらすと言われる力を込め終えたエリンは、
古びた台車に小瓶を積み、街へと歩き出そうとしていた。


なぜ、マルゲロー二だけが2つの力を操るのか。
それは、「光」と「影」は、切っても切れない特別な存在だからだ。
光のある場所に必ず影は存在する。
片方がなくなることはけしてない。
もしもその絶対の法則が崩れた時・・・、それは、この世界が終わる時だろう。
マルゲロー二では、満10歳になると、パートナーを決める。
それは同性だったり、異性だったり、はたまた兄弟だったりすることもある。
その2人は、どちらか片方が死ぬまで、一緒に「人助け」をすることとなる。
その契約の印に、「光」の力を持つものは左腕に太陽、「影」の力を持つものは左腕に月の焼き印がしるされる。
それは死ぬまで消えない、つまるところ、マルゲロー二族であるという証となる。
そして、自分の力の確証となる。


俺のパートナーはエリン。
太陽・・・「光」の力を持ち、幸運をもたらす存在。

エリンのパートナーは俺。

月・・・「影」の力を持ち、






死をもたらす存在。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

タイトル未定(( ①

やっと1話完成・・・!
なんか長くなりそう・・・、いや、絶対なる。(←

やっぱり鏡音は可愛いなぁはすはs(危

閲覧数:114

投稿日:2010/10/25 10:57:45

文字数:984文字

カテゴリ:小説

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