第十五章
『ウィルスバグ』
PCから出て行ったとき、なにやらファイルがあった。
きっとマスターのものだろうと思って気にも留めずに私はPCから外に出た。
「マスター!!」
「ミク・・・・・・・・・?」
不思議そうな顔で私を見ている。
「どうかしましたか?」
私の顔になんかついてます?というと「いや」と言った。
「イメチェンするんだ、って思って」
ほら、と促されて手鏡を見る。
すると何時もの緑色の髪の毛が赤く変色していたのだ。
「ち、違います!!
なにこれ!!!!?」
私は慌てながら鏡をマスターに返す。
「違うの!?」
マスターも大慌ての様子だった。
「ふ、ふぇ・・・・・・・・・・・・・・」
私が泣きそうになったときだった。
「おはよー!」
ガチャッと扉が開き麻美さんとお兄ちゃんが入ってきた。
「美味しいミルフィーユ買ってきたよ・・・・・・・・って、どうしたのその髪の毛」
私の方を見ながら持っている箱を机に置く。
「なんか出てきたらこうなってたの・・・・・・・・・・」
マスターも心配そうにそう言う。
私もお兄ちゃんに縋りついた。
「・・・・・・・・・マスター、ミク熱がある」
私の額に手をやってお兄ちゃんが言う。
「・・・・・・・・・・あー」
すると麻美さんはマスターのPCを開けた。
オドオドしているマスターに麻美さんはニコッと笑った。
「大丈夫、今治してあげるから」
そう言ってなにやらソフトを取り出す。
インストールしてカチャカチャとなにやら作業をし始めた。
「ミクもウィルスにやられたんだね」
お兄ちゃんがヨシヨシと私を慰める。
「ウィルス?」
マスターが私の額に手をやる。
何時も温かいマスターの手がひんやりしている気がした。
「うん、このファイルにウィルス入っていたみたい」
削除っと言いながらエンターキーを押すと私の髪色が戻った。
「今度から定期的にこれ使ってあげなよ」
マスターにソフトと説明書を渡している。
「有り難う、麻美。
ミク、良かったね」
「はい!
有り難う御座います!!」
私は立ち上がって麻美さんに礼を言う。
「良いの良いの」
そう言ってベットに座る。
「そう言えば麻美。
貴女学校は?」
「良いの良いの」
「良くないわよ」
マスターと麻美さんは笑った。
私もお兄ちゃんの方を向いて笑った。
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