1A
遠く揺れては連なる橙(だいだい)
朱く千切れた鼻緒は縁(えにし)
高くさざめく葉音に紛れ
鬼子(おに)は迷子を包引(かどわ)かす

1A
滲む爪先 玉砂利埋めて
両の掌 数えた半ば
ひとつ 重なる言葉と指が
闇から私を引き上げる

1B
負われた背(せな)に問う間際
聞こえた脈の存在(おと)に
一粒の涙も忘れて 微笑(わら)う

1C
神楽の鈴は転げ落ち
囃子(はやし)も消えた石畳

1S
狛のひとつは縁(えにし)を落とし
狛のひとつは縁(えにし)を咥(くわ)え

2B
負われた背(せな)に そっと告げる
幼い娘の寝言(ゆめ)と
両頬の熱も隠して 閉ざす

2C
記憶の色は褪せて朽ち
日輪(ひのわ)が影まで塗り潰す

2S
夜毎 月読(つくよ)は満ち欠け淀み
鬼子(わたし)は未(いま)だ 未来(みち)を迷う

D
運命悔やんだ女子(おなご)は鬼子(おにご)

E
鬼の女子(おなご)が綾取る糸は
絡む結び目
断てども断てども
指に絡んで痛むばかり

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鬼灯の縁

「おにびのえにし」と読みます。夏祭りの宵、紛れ込んだ人ならざるモノと童女の交流。やがて童女は鬼となる。

閲覧数:75

投稿日:2018/07/13 15:12:41

文字数:431文字

カテゴリ:歌詞

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