A壱
君の墓前に 桜桃手向け
伽藍堂の面影 浮き沈みさせて
逢ったことない
もう一人の「自分」に手を合わす

B壱
海に 川に 溺れたあなた
今も安息はないのでしょうか?
ご冥福を お祈り申し上げます。

寂壱
「あんな人間にはなりたくない」
そう言った僕が君に出逢ったのは
埃臭い 湿った場所 僕たちにはお似合いだろ?

君はみんなの一部ずつなんだ
君が残した無声に また集まる
心、隙間 偽る、笑み 僕たちには必要だろ?


A弐
君の墓標に 桜桃捧げ
伽藍堂の胸元 浮き沈みさせて
知らないはずの
もう一人の「自分」に向かい合う

B弐
文字に 人に もがいたあなた
今も嘆息しているのかしら?
ご冥福を お祈り申し上げます。

寂弐
「あれは人間として失格だ」
そう吐き捨てて ずっと避けてきた君
知らなかった もう一人が こんなに近くに居たのか・・・


(間奏)


寂参
「あんな人間にはなりたくない」
そう言った僕が君に出逢ったのは
埃臭い 湿った場所 僕たちにはお似合いだろ?

君はみんなの一部ずつなんだ
君が残した無声に ほらまた集まる
あれも、僕だ それも、僕だ
駄目なりの「自分たち」の葬列――・・・

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

桜桃忌

明日は太宰の桜桃忌なので。
行く予定にしていたのですが、行けないので、惜しんで歌詞にしました。
勢いで書いたという点、言いたいことに収集が付けられない点から、まとまりが見られません;


私の太宰(太宰作品)に対する実話を元に作りました
今年に入るくらいまで、実は太宰が大嫌いでした。「」部分は私の口癖でした
ちなみに、埃臭い、湿っぽい場所=図書館の地下のことです
実際は図書館の地下は埃臭くないのですが、本が古い臭いはしました。好きですけどね、古い本
地下で文集を読んだ時、本当に鳥肌が立ったんです
文庫本を買って、一気に読んで、何度も泣いたものです。自分が書かれている、と


太宰の作品を読むと、自分に出逢ったような錯覚を覚えます
何かしら自分と当てはまり、心の隙間を縫って沁み込んで来るんです
他人に偽ってきているものを、太宰作品は造作なく打ち破って来る感じです
だから、愛されるのでしょうか

人に怯えて、情けない人で、
きっと毎年あんなに人が訪れて、眠れないと迷惑しているのかもしれません
ああ、また今年もこんなに「自分」が来ていると、嗤っているのかもしれません

閲覧数:101

投稿日:2010/06/19 17:51:43

文字数:513文字

カテゴリ:歌詞

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  • 保科

    保科

    ご意見・ご感想

    やはり太宰といったら師匠が浮かびます(*´ω`*)
    似たもの同士だから惹かれる…!!おぉ…!!
    太宰さんの魅力はあのもろさが愛しいと感じる、という方が多かったので何だか新鮮でした!!
    詞も勿論すんばらしいと思ったのですが、サビが“寂”と表記されていたのが太宰さんっぽくて何だかキュンとしました*^^*
    墓前で太宰さんとお参りする人との雰囲気がたまらんです…!!

    2010/06/19 12:22:53

    • 唄界

      唄界

      太宰への愛を叫んだら、巨匠が釣れたー♪笑

      彼のもろさも、母性本能をくすぐっていいんですよね
      ちょうど昨日、ゼミ室でそんな話をしてました
      (日本史ゼミなんですが、私が太宰の墓に行けないと嘆いていて、教授・友人総出で太宰話にwww)

      寂とか錆とかにするのは、過去の作品にも数点あります
      こういう言葉遊びが、結構好きなんですよねw
      過去作品の「骨」が中原中也だったので、いつか太宰もやりたいと思っていて、作れて良かったです
      巨匠にもコメントいただき、嬉しいです♪

      私もお墓参りに加わりたかったのですが・・・
      京都と東京は、内定貰ってない私には、ハメ外しきれない距離です;遠い目

      2010/06/19 17:45:27

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