――お前のせいだよ、カタストロフィー。
≪カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅲ≫
欲望や願望は泥沼を這いずるミラクルにしか過ぎなかった。
ある少年は「みんないなくなればいいのにな」と願い。
またある少年は「自分の体が透ければいいのにな」と願い。
あげく、世界をリセットした人間もいた。
もちろん、これで叩かれるのはマキ――でもあるが、大元は会社だ。無論、巨額の借金を背負うこととなる。
しかし。
それを会社は許さなかった。
対処法をみつけようとした。
そして、ひとつの結論に至った。
開発者――マキを処罰すること。
*
「ふわぁーっ、いい朝だ」
俺はまた一日の始まりを迎え、遠くではラジオ体操が聞こえる爽やかな朝を過ごしていた。
ふと、新聞を眺めてみるとこんなことが書いてあった。
『カミサマネジマキ開発者、行方不明に』
「へえ……まさに“神隠し”ってわけか……」
俺はそんなことどうでもよかったんだけどね。
だって、関係無いじゃん?
そいつはただ、カミサマってもんにあこがれてただけなんじゃない?
ま、俺には関係ねーや。
そんなわけで俺はまたベッドの上に寝転がって、ふわりふわりと眠っていったのである。
*
時は少しだけ、戻る。
やり直す? 消えてしまう? そんなことを考えたマキはどうなったのか。
少しだけ断片的ではあるけど語っていこう。ちょっと引きこもり視点多かったな。こいつまったく関係ないのに。
まあ、いいか。休憩はここまで。さっさとエンディングまで見てちょうだいね。
*
僕は考えていた。
やり直すことだって、居なくなることだって。
僕の手の中にある箱を使えば出来るはずだ。
だけど。
そんなこと、したくない。
もしこんなことになるってわかってりゃ、何もない世界に、なってたかもしれない。
今よりもずっと尊くて、愛しい世界に。
さあ、カミサマネジマキ。
「――世界の餌になる前に僕を殺して?」
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