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神とは何か。
それは、人知を以てはかることのできない能力を持つ、全知全能の絶対者。
その位置は揺るぎなく、いつだって人間を見下ろしてきた。
禍福を等しく与えるための様々な課題にぶつかり、応じて様々なものを世界に投げ込む。
そうして世界を創っていくうちに、僕はいつしかここに立っていた。
創った世界の中...敗北の少年
licol
人々の喧騒が飛び交う大都市。
本日の天気は曇りだ。
漫ろにふらついていると、珍しくもない耳鳴りが聞こえた。
前世の記憶か何かが、フラッシュバックする度に。
最初は、確か……。
人力では避けられない出来事を引き起こし、後先を考えていない演説をして世間を混沌へ誘った、大事変の立役者。
こんなものを思い出...リンカーネイション
licol
まさか、こんなことになるとは。
僕はこんな悲劇的な結末、望んじゃいない。
何もかもお前のせいだ。
愚かしい。
下らない。
お前さえ、いなければ――。
ある研究所(ラボ)に、ひたすら研究を究め続ける学者がいる。
その男はいくつもの大いなる発見をし、世間の目を奪った。
故に男は、天才学者と呼ばれる。
素...カミサマネジマキ
licol
それは、名も無い時代の、誰も知らない御伽話。
物語の中心になるのは、名の無い少年。
少年はいつも一人だった。
来訪者の途絶えた小さな小さな集落で、その少年の格好はひどく目立つ。
村人は全員和服であるのに、彼は西洋の服を着ていた。
なんでも、他国の若き皇太子だそうだ。
だが、産まれついたときから普通で...六兆年と一夜物語
licol
突然 "透明人間になりました" なんて言って、誰が信じるだろう。
確かに、目の前で話していて姿が見えなければ、それは信じざるを得ない。
だが、姿も見えずに言われたらどうだろう。
誰しもが "そんなことは有り得ない" と言うに違いない。
しかし、そんなとんでもない現象に、僕は出逢ってしまった。
いつか...インビジブル
licol
この頃、実体のない妙な声が聞こえる。
性別はわからない、中性的な声。
どちらかといえば、女性寄りだと思う。
聞こえる時間帯は疎らで、内容も様々だ。
昨日は "明日の午後は雨が降る" と、ぽつりと答えた。
しばしばノイズが入り、耳鳴りのようにも聞こえる。
だが、言っていることが聞き取れないほどではなか...イカサマライフゲイム
licol
体が酷く重い。
寝ている間こそ気づかなかったが、目覚めたらそうわかった。
鈍器で殴られたような感覚だ。
動くとギシギシと体が軋み、起き上がることさえ楽ではない。
そこまでして、はっと気づく。
目の前に、小さなボタンが転がっていた。
その横に、一枚のメモ書きがある。
"Cela fait votre ...人生リセットボタン
licol
バタバタ・・・。
嘘だ。あの子とアイツが・・・?
そんなわけないんだ・・・!
「ッ・・・。」
そうだ・・・。あの時に彼女に出会わなければ・・・・・・・・
「おはよー!」
「よっ!」
いろんな声がこだまする朝。部活の少ないこの学校では一日のうちで一番にぎやかな時間だ。
僕は・・・僕にとっては一番嫌いな...インビジブル 第一話「透明人間」
稲瀬美遊
君は、知らないよね。
知るわけが、ないんだ。
だって、君を失って、幸せそうな顔で儚くなっていく君の灰を目にした後で――
――僕は、今更になって気付いたんだから。
君が、『好きだ』って。
そう…いつだったかな。
君が少年として駆け回ることのできた、最後の夏。
君は「大人にはなりたくない。子供のまま、自...地球最後の告白を
licol
――僕のせいですか、カタストロフィー?
≪カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅳ≫
彼女はただ、素敵な三次元を夢見たかっただけなんでしょう。
だけど、だけどね。
そんなもん、甘すぎんですよ。
無理だし、当たり前すぎる。世の中がそんな簡単に書き換えられてたら僕だって苦労しません。
……まあ、結構いい...カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅳ
aurora
――お前のせいだよ、カタストロフィー。
≪カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅲ≫
欲望や願望は泥沼を這いずるミラクルにしか過ぎなかった。
ある少年は「みんないなくなればいいのにな」と願い。
またある少年は「自分の体が透ければいいのにな」と願い。
あげく、世界をリセットした人間もいた。
もちろん、...カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅲ
aurora
――お前のせいだよ、カタストロフィ。
≪カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅱ≫
とある人間はそれを、無限に金を生み出す装置として使った。
とある人間は自分を嫌う人間をすべて消し去る装置として用いた。
また、とある人間は――
どういうことだろう、って?
つまりは簡単なことであった。
人間の欲望は...カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅱ
aurora
――お前のせいだよ、カタストロフィ。
≪カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅰ≫
私はスーパーパワフルな天才科学者よ! こんなカオスで混沌な世界に新発明をもたらしたわ!
――テレビでなんだか白衣を着た(すげーおっぱいでかい)女性が胸を張って笑っていた。
「訳わかんねえよ、どういうこったそりゃ?」
引き...カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅰ
aurora
――いまさら言ったってもう遅いよね。
僕は今更、君が幸せな灰になったあとで
君が好き、だって。
≪地球最後の告白を【自己解釈】≫
海岸。
誰もいない。居るのは僕だけ。ほんと、うざったいくらい誰もいない。
君もいない。あんなに、好きだった君だってもうここにはいない。
息を吐いた。微かに冷...地球最後の告白を【自己解釈】
aurora
――これは、名もない時代の集落の名もない幼い少年についての、誰も知らないおとぎ話である。
≪六兆年と一夜物語【自己解釈】≫
その少年は生まれついた時から牢獄にいた。母の顔、父の顔すらも覚えていないだろう。
この集落では『鬼の子』は蔑まれる。否、それ以上の罰を受けることになる。
ただ、彼が鬼の子...六兆年と一夜物語【自己解釈】
aurora