#88「昔話」
「あなたの話が無駄話となった時、あなたの命の終わりです」
フードの女性の言葉に偽りはないだろう
でも、僕はまだ終われない
「これはある一人の女の子のお話です」
「何言っているの?早く、私の動機とやらを説明しなさい!」
僕の話を遮ってフードの女性が怒鳴った
「これには順序が必要なんです。大きな勘違いと優しい罪を知ってもらうために……少々、付き合ってください」
僕がそういうと、女性はイライラしながらも黙った
リンちゃんのお母さんが女王だった時代……つまり、先代の時代
ある一人の妖精の女の子は、物心がつく前にある女性に引き取られました
そこにどういう経緯があったかは、わかりません
ですが、女の子は女性を本当の母のように……
女性は女の子を実の娘のようにかわいがっていたと思われます
そのためか、女性は女の子が養子であることを本人に言っていなかったようです
養子だろうが、愛情を持って育てれば、本当の親子になれると信じていたのでしょう
2人は本当に幸せだったと思います
ですが、女の子が5歳になった年……女性に子供が出来ました
女の子は弟や妹が出来たと喜んでいましたが、女性の方は一抹の不安を抱えました
その不安は最初こそ、本当に小さなものでした……
数か月後、女性の子供が生まれました
6歳になった女の子は、進んで妹の世話をしました
しかし、母親の方は赤ん坊の方にかまいっきりになり、女の子のことをほったらかしにするようになりました
女の子は母親がかまってくれなくて寂しかったはずです
それでも、女の子は母親が大好きでした
今に妹が大きくなったら、また自分と遊んでくれると自分に言い聞かせていたでしょう
そして、その日もベッドに一人で眠ったのでした……
明日になれば、お母さんが笑ってくれると信じて……
しかし、次の日、女の子が目を覚ましたのは見慣れない部屋でした
そこは宮中でした
そして、女の子はそこで先代女王から衝撃の話を聞きます
【あなたは明日からここで働いてもらいます】
【一人前になるまで母親と会ってはなりません】 と……
納得がいかなかった女の子は叫びます
しかし、それが女王の耳に入ることはありませんでした
翌日から、女の子は無理やり働かされることになりました
女王の身辺の世話をする仕事です
いつも、女王の側にいなくてはならなかったので、逃げ出せませんでした
もちろん、何度か脱走も試みたようですが、いつも連れ戻されてしまいました
逃げ出すのが無理とわかった女の子は早く一人前になって、母親のもとに帰ろうと必死に努力しました
彼女の成長は周囲を驚かせるほどだったといいます
しかし、月日はあっという間に過ぎて、6年という歳月が流れました
女の子は12歳になりました
周りからは子供らしくない、真面目でお堅い従者として評判でした
実力も先輩たちを差し置いて、かなりのものだったようです
もうすぐ一人前になれる
そうしたら、すぐにでもお母さんのもとにいこうと思っていたに違いありません
しかし、そんなある日、風の便りで聞いてしまいました
――お母さんが亡くなった……と
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もっと見る#80「急転」
「ル、ルカさん!?」
なんと、森の方から走って来た人物はルカさんだった
「ど、どうしてここに?」
「う、うるさい、わよ。はぁ…はぁ…、それより、リンは?リンはどこ!?」
ルカさんは息を整えながら、僕に掴みかかって来た
「リンちゃんですか……そ、それが……昨日の朝から行方不明で……」
...妖精の毒#80
しるる
#90「本音」
先代とリンちゃんに恨みをもっていた人物
メイコさんに睡眠薬を飲ませることができる人物
あのルカさんを投げ飛ばすことが出来るのは訓練された人物
僕が人間だとあらかじめわかっていた人物
そう、初めからこの人しかありえなかった
「やはり……あなたでしたか…………ハクさん」
「お見事です。ま...妖精の毒#90
しるる
#79「勘違」
翌日、天気がいい
ただ、孤児院の中が心なしかどんよりとしている
義弟や義妹たちは、いつも通り、元気なのだが、ミクがややぼんやりとしている
完全に僕のせいなのだが……
レンもリンちゃんが心配なのか、どこかイライラしている
そして、僕もミクへの罪悪感と、リンちゃんが森に帰っていたらどうし...妖精の毒#79
しるる
#82「再び」
僕とルカさんは妖精の世界への入り口に向かう
「ルカさん、メイコさんとリンちゃんを助ける方法って、考えてあるんですか?」
ただ単に相手方に乗り込んでいっても、駄目なのは目に見えている
「正直、何も考えてないわ。」
僕の横を歩くルカさんは、しれっとそう言った
「手紙の相手が誰かもわからな...妖精の毒#82
しるる
#84「戦闘」
「ええ。二階で生きてますよ。まぁ、今は……ですけど。ふふ……」
不敵に笑う手紙の差出人
「ふざけるな!いますぐ、2人を返してもらう!」
ルカさんが相手に向かって走っていく
ルカさんが相手をとらえれば、あとは力で吹き飛ばせるはずだ
しかし、相手は向かってくるルカさんの胸ぐらをつかんで、...妖精の毒#84
しるる
#96「名前」
僕とリンちゃんは、孤児院に帰って来た
僕らが玄関に入ると、雪崩のようにながれてくる義弟妹たち
「おいしゃのおにいちゃん!おかえり!」
「まいおねえちゃん、どこにいってたの?」
「かいと、おみやげは?」
群がってくる子供たちに、僕もリンちゃんも、もみくちゃにされ、立ち往生してしまった
...妖精の毒#96
しるる
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ご意見・ご感想
Turndog~ターンドッグ~
ご意見・ご感想
『Turndog の 仮説 その弐 は 少し 落ち着き を 取り戻した!』
やっぱり…あの人なのかな…?
63……あれか?あの二人の話か!?(見返さずに言うなよ
…なるほど(キュピーン)何かが見えたぞ(だから見返せよ
2012/11/30 23:04:16
しるる
見返しましたねw
見返せば、わかるはず!ww
2012/12/02 22:40:40
イズミ草
ご意見・ご感想
合ってるかもしれない……犯人……
違うかもしれない……犯人……
兎に角、どうなったんですか!
じらすんですねどうして(そりゃそうだろ
カイトかっこいいよ!カイト!
2012/11/30 21:03:11
しるる
じゃぁ、合ってるはずの犯人
じらします
特になにもなくてもじらします←
2012/12/02 22:39:42