太陽がいよいよ沈もうとする。
日中だんまりだった風は、気分がいいのか優しく頬をなでていく。
黄金の光は僕の顔を照らし、おもわず目を細めた。
赤い空には不釣合いな入道雲、歩いてきた道を振り返って、延びた影を見る。
しばらく見下ろしてから見上げると、ほら、影法師が映るのだ。
通い慣れたはずの商店街は、10年前とは随分と違って見えた。
学生は夏休みだからだろうか、人もまばらだ。
去年一昨年にも思う感想を頭に思い浮かべては、胸が締め付けられる。
思い出す。
祭りの最中に君と抜け出してここまで来たこと。
境内の階段に座り、遠くなってしまった祭囃子に思いを寄せたあの時。
そのときの僕に余裕があったわけではない。
現実を直視することが出来ずに遠くを見ていただけだ。
風が髪をなでる度に、君のシャンプーがふわり香る度に、
僕はいちいち緊張して思わず顔が熱くなるのがわかった。
風が冷ましてくれるのを期待してみるけれど、
熱をはらんだ風では叶いそうにもない。
太陽が傾いたこの時間では、すべてが幻想的に映る。
都会で過ごす日常でも確かに見る光景なのに、どうしてこんなにも感傷的になるのだろう。
あのときの笛の音は、もう何年を聞いていない。
だというのにどうして脳裏で反響し続けるのだろう。
思い出す線香花火の火種はいつまでたっても焼きついて離れることはない。
今じゃ夢だったのかと考える。
馬鹿馬鹿しい、確かに夢じゃないのだ。
あのときの君は、僕の隣にいないけれど。
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